<35>end

口元に残る 真っ赤な悲鳴の跡

僕の居た痕跡を 探し求める

その姿は実に哀れであろう


飛び込んだ水の音

跳ねて小さく暴れた水面

揺らいだ目には

もう一滴の光もなかった


飛んだ秋茜

紅に染まる視界

集る虫達

全て命から吸い取られていく


「死んだ人は生き返らないんだよ」

幾度となく言われた言葉に

僕は耐えず鼓動した


鐘が鳴る

終りの鐘が鳴る


何もかも全て終りだったんだ

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