<23>傷跡

ずっと心の底には傷跡が残る

寂しく鳴いた小鳥が飛び立つ

ぐしゃりと濡れた顔も気にせず

外に向かって飛び出す


暗闇を模索

探してた鍵

先延ばしにしてた電話

心に残った深い傷跡


消えないまま残ってる


痛い痛い底も知らずに

そうやって変わらずに話しかける

そんなことしかできない君は

いつしか離れていったような

そんな気がしなくもないけど

それでも

傷が深くなった気がする


ずっと心の闇には包帯が残る

優しくささやいた声が遠くなる

鮮やかによみがえる記憶も

外に向かって投げだす


精神を破壊し

辿り着いたゴール

終わらない迷路

心に残った薄い感情


消えないまま残ってる


暗い暗い底も知らずに

そうやってずっと触れ続ける

そんなことしかできない君は

いつしか泣いていたような

そんな気がしなくもないけど

それでも

傷が深くなった気がする


これからもそうなんだろうか

変われないんだろうか

傷跡は治らない

ずっとそこで痛み続けてる


傷跡はいいから

包帯を巻いて

どうか忘れられますように


そんなことを願いながらも

今日も傷を封ず

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