1-メンタルチェック

スタンディト大学には、陣について研究している小規模な研究室がある。

陣は普通の人には見えないため、どれだけ頑張っても認められず

資金も得られない。その為実費で頑張っている私がいた。


私の名前は陣道 冬日。スタンディト大学の教授をさせて貰っている。

特定の人物からは陣博士とも言われている。

今はお昼。優雅にコーヒーを飲みながら自分の論文を見返す。


「こんにちはー!教授」

「こんちゃー」

「こんにちは教授」

「おお、いらっしゃい。まあ座りなよ」

彼らは私の教え子かつ、数少ない理解者かつ

私のゼミの唯一のメンバーである。

彼らが去ったら私は一人になるだろう。

「君達の陣は元気かい?あと精神は病んでないか?何度も言うが陣と私達は表裏一体だ。少しでも精神の変化があると、陣もそれに応答して動く。」

「分かってますよー教授。もう聞き飽きました」

「俺結構陣の使い方上手いし、大丈夫だし」

「・・・・・・・そうですね。私も聞き飽きました。」

「何度でも言うさ。君達が心配だからね・・・・。ああそうだ恒例のメンタルチェックしよっか。私も研究者さ。君達の陣の成長・変化を知っとかないとね。万が一の可能性も知っとかないと」

書類制作ソフトを立ち上げると、過去のメンタルチェックの内容が出てくる。

今回記入する為に新規のデータを作る。

「じゃあまずは、妖形 清明ようけい せいめい君から」

「分かりました。治療の陣、出番ですよ」

四つ葉のクローバーを象った尻尾を持つ、陣が実体化する。


(彼の陣は治療の陣。怪我(骨折も含む)の治療が出来るが、心臓などの重い

物は治療できない。彼の性格上、人を傷つけたくないという思いを反映して

成り立っているんだろう。おそらく無害だが、一応確認という感じだな)

カタカタ

文章を打ち込み、彼の方を向く。

「順調な様だね。特に目立った変化もない。何か清明君から言いたい事は?」

「特にはありません」

「OK、じゃあ次は、妙姓 気候みょうせい きこう君」










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