願いの陣

bbキャンセル君

プロローグ

裏の世界のカジノにて。

「またあいつ勝ってんのかよ」

「絶対にイカサマだろ」

口々に言う者の視線は、一人の男に集まる。

そんな中に一人の男が隣に座る。

「いいっすねーお兄さん。そういうの俺は嫌いじゃあねぇ。なあ契約者」

指摘された男は目を細め笑った。

「なんだ見えてんのか?俺の絶対的勝利トリックを」

「ははっ、安心しろ、言いはしねぇ。代わりに一つ聞いても良いか?」

「ああ、どうぞ。陣使い」


「お前は願いの陣を知ってるか?」

ピクリ

「ああ知っているとも・・・・・ただ、言える事は願いの代わりに大切なものを

「俺には何もねぇわ」

「今は、そう思うだけだ。絶対に口をきくなよ。これは助言じゃない警告だ」


「その陣の居場所は知ってるんだよな?だってお前契約者だろ?」

「召喚師と契約者は違う。呼び出す事はできない。呼んでどうする?」

「さぁね。ただの気まぐれかなー。あっ俺そろそろ帰る。ありがとうな。色々教えてくれて。これ、貰っといてくれ。少ねぇけど。」

コソッと茶封筒を渡す。

「・・・・タダ聞きかと思ってたぜ」

「なわけないだろ。じゃあな、ほどほどにしとかないと出禁くらうぜ?」

「ご忠告感謝ってやつだな」


二人は別れた。


カジノをから出ると夜風が吹く。


「願いの陣探してるんだって?やめときなって。あれで願いに溺れた奴は皆後悔している」

「ッ・・・・なんだおまえか、陣道 愛」

黒いパーカーに黒い帽子を深く被った、長髪の女性が街灯に照らされている。

「諦めたらいいのに、人のために願った所で後悔するのは自分だけなのに」


「・・・・・別に、ただ願えるのであれば願いたいと思っただけだ。お前には関係ない」


スタスタ歩を進めと彼女とすれ違い様に、

「お前はどうなんだ?叶えたいのか?」

と聞く

「いや・・・それは違う。私は奴を利用したい」

彼女は願いの陣の事を研究してる知り合いの目的・普通なら公開しないであろう

手段などを話した。


無理だろ

それだけ返し、この場を去った。


取り残された彼女は笑った。

「確かに無理だ、不可能だ。でもそれを実現できる独立陣を探せば・・・・」


上を向くと、うようよと漂う、醜い感情や思想から反映された姿純粋な生き様の独立陣達。


「できるという可能性を信じても良いんじゃないか?」


より一層笑みを深めた。












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