第五幕 ベランジェール
第五幕 ベランジェール・1場
◯同じ装飾。
◯射手たちはテーブルに、ヤクーブは暖炉の前に立っている。
射手:
「神よ! 鹿肉はうまい!」
アンドレ:
「完璧だよ……! 昨日、この鹿を城に持ち込んだときは、このパーティーのメインディッシュになるとは思わなかったなぁ……。ほら一枚どうだ、恨みっこなしだぜ、ヤクーブ」
ヤクーブ:
「腹は空いてない」
射手、アンドレに:
「ああ、なんてことだ! でもアンドレは旦那さまのお気に入りになった! 俺たちのことも忘れないでくれよな」
アンドレ:
「からかっているのか? だが、シャルル・ド・サヴォワジー伯爵の使いに選ばれて、この城に妻を連れてきたことは、少なくとも何か意味があるのだろう。新しい結婚で旦那さまが父親になれることを願いつつ、このような使いに二度と行かなくて済むように……。そのために、俺は若い伯爵夫人に乾杯を捧げる!」
全員:
「俺たちも同じ気持ちだ!」
ヤクーブ:
「情けない奴らだ!」
アンドレ:
「おい! それはどういう意味だ?」
ヤクーブ:
「俺が言いたいのは、昨日はこの食卓で、ここにいる男たちは全員、今のバカ騒ぎとは程遠い気分で乾杯していた……。それは、別の人の健康を祈るための乾杯だったということだ」
アンドレ:
「乾杯の対象は人それぞれだ。おまえは好きにすればいいし、俺たちも好きにやる」
ヤクーブ:
「酒は飲まない」
アンドレ:
「そうか、じゃあ一杯やろうぜ。気に入らないなら、外に散歩に行ってろ」
ヤクーブ:
「俺はここにいるのが好きなんだ」
アンドレ:
「好きなだけいればいいさ。旦那さまがそう言っているからな! だが、静かにしていろ」
ヤクーブ:
「他にも言いたいことがある」
アンドレ:
「言ってみろ」
ヤクーブ:
「ここにいる誰か一人でも、この呪われた射手(※アンドレ)を懲らしめようと思うなら、彼の歯の間にあるグラスを割ってやれ——と、俺は言いたい」
アンドレ、立ち上がってヤクーブを脅す。
射手、低い声でアンドレに:
「レイモンのことを忘れるな……!」
鐘の音が聞こえる。
射手:
「教会に行かなくては。アンドレ、旦那さまが呼んでいる」
アンドレと射手、立ち去る。
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