第四幕 アニエス・ソレル・2場

◯同、国王シャルル七世


国王:

「今日はいい狩りができそうか、バルタザール?」


バルタザール:

「はっ! そればっかりはよくわかりませんね、陛下。狩りの成果とは偶然の賜物たまものですから。例えば、ある日のことを思い出すと……」


国王、ハヤブサを困らせる:

「あっ! 私のかわいいコケットはここにいたのか」


バルタザール、話し続ける:

「早朝、俺たちはどこを探したかというと……」


国王、バルタザールの話を聞かず:

「予定より遅れているな」


バルタザール、話し続ける:

「ヴェルヌイユの森があり、俺たちは出発した……」


国王:

「サヴォワジー伯爵はまだか?」


バルタザール:

「見てません」


国王:

「私のホストはどこにいるのか?」


バルタザール、さっきの話を続ける:

「その時、俺はハヤブサを放った……」


国王:

「アニエスもいけない」


バルタザール:

「そこに千鳥がいた……」


国王:

「バルタザール、ホルンを持ってきて号令を鳴らしてくれ」


バルタザール、ホルンを鳴らす。


国王:

「よし!」


バルタザール、早口で:

「まだ三十回も翼を動かしていないようだ……」


国王:

「ほら、このかわいいコケットを預かってくれ」


バルタザール:

「あっ! お嬢さん、こっちへ来てください」


国王、扉に向かう:

「バルタザールのホルンが効いたのか、ついに伯爵がやってきた……」


国王、周囲を見回して誰と一緒にいるのか見分けようとする:

「伯爵が連れているもう一人は……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る