第一幕 ヤクーブ・3場

◯同・ベランジェールがタペストリーを持ち上げる。

伯爵夫人の登場で全員動きが止まる。

ヤクーブは胸の前で両腕を交差させ、深い敬意を抱いた姿勢でいる。


ベランジェール:

「さあ、みんな、もっと騒ぎなさい! 喧嘩をしていたわね! 誰をいじめているの?」


アンドレ:

「神を冒涜している異教徒です」


ベランジェール:

「愚かなことを……。自分が何を言っているのか分かっているの? もし神が異教徒を突き放したなら、それでもう十分じゃないの! レイモン、その短剣で何をしていたの?」


レイモン:

「マダム、何も……」


レイモン、ヤクーブの足元に短剣を投げつける:

「ヤクーブに刃を研ぐように指示しただけです。聞いてたか、サラセン?」


ベランジェール:

「それならいいわ。もう下がりなさい。夜になったら、またここへ集まって一緒に祈りを捧げましょう」


ヤクーブとベランジェールを残して、全員立ち去る。

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