コーヒーのお味は?
いいです?これは復讐です。
Aの彼女は魅力的。名前はミカちゃん、2つ年下。僕には彼女がいるけれど、彼女は正直もうダメです。現役JDミカちゃんの、あのツヤやかな髪と肌。僕は骨抜きメロメロさ。
ある晩、ミカちゃん家に来た。「Aには内緒ね」
たまらない。白い彼女のセーターは洋菓子のような甘い蜜。五指が自然と沈みます。
僕の彼女は真面目です。つまらないほど真面目です。仕事は広告代理店。ゴリッゴリの敏腕です。だから、たまに叱られます。だらしがないと言われます。
だから、これは復讐です。
Aが昨日、家に来た。久しぶりの再会です。ミカとはどうかと尋ねると、「順調」と言って微笑みます。それは何より。よかった、よかった。
ショートケーキを出しました。昨日ミカちゃん持って来た。甘い甘いイチゴです。僕らは美味しく食べました。
「明日のイブは何すんだ?」
Aが僕に尋ねます。
「彼女は仕事が忙しく、今年は一人」と返事する。Aは気の毒そうな顔をして、出したコーヒー飲みました。
「君は今年はどうするの?」
「俺も今年は仕事だよ」
Aは残念そうな顔をします。みんな仕事が忙しい。そう言う僕は休みです。年末休みは舐めてると、彼女に昨日、叱られた。でも、それ僕は悪くないじゃないか。
ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る。今年はホワイトクリスマス。
家族連れは楽しそう。僕は一人で歩きます。カバンにはイチゴのショートケーキ。
良い子はすでに寝る時間。起きているのは悪い大人。僕はドアノブをゆっくり回して中に入る。
「なんで、あなたがここにいるの?」
彼女とAは呆然です。裸の彼らはみっともない。悪い大人になっちゃった。僕はため息一つと咳払い。彼女の部屋を見て回る。二人は慌てて体を隠す。ウールの毛布で隠します。壁のあの絵はジャコウ猫。僕が買ったお土産だ。
テーブル上にはマグカップ。僕が買った2つのカップ。中のコーヒー冷めている。半分ぐらいは飲んでいる。それが少し照れくさい。
「これは、その...」
と、Aが言う。彼女は泣いて鼻すする。
「そうだ。ショートケーキを持って来たよ」
ゴロッ。
床に転がるショートケーキ。赤い赤いショートケーキ。柔らかい、品のないショートケーキ。
「ミカ!!」
と、Aは叫びます。彼女は美味しく食べました。ケーキは切ってお裾分け。裾ない彼らは真っ裸。
「ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る」
二人は黙ってしまったよ。ただ震えて謝るよ。僕も鬼じゃないからさ。二人の罪を許そうか。
「このコーヒーを全部飲め。だったら、話は考える」
二人は一度目を合わせ、黙って指示に従います。僕のあげたマグカップ。Aが飲んでるマグカップ。
「コーヒーのお味は?」
「う...うまいよ」
震えながらAは言う。涙がボロボロ溢れてる。味のわかる良い男。だからきっと、モテるのね。
「嬉しいな。豆にはこだわったんだ」
「へ、へえ。どこ産なの?」
「僕だよ」
ゲッ、と汚い音を出し、彼らは一気に吐き出した。
贖罪は認められなかったようだね。
さて、ペナルティーだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます