第42話・乙女座リフレッシュ
聖女である三人と共に、大聖女こと乙女座スピカは様変わりしたオアシスにほうと感心する。
行きかう人々は笑顔であり、多様様々な種族が行き来する。町の衛兵もしっかりいて、スピカはとりあえず大丈夫と安堵した。
(なにより)
ここは他のバカどもと違い、星の使い方は間違えていない。星の力、自分たちの力を使い、土地を豊かにして浄化している。
こうして聖女の付き人と聖女達を引き連れてきたスピカに、水瓶座はとりあえず………
「寝た方が良いよ乙女座。限界だろう?」
「ベットはこちらにありますから、どうか安心してください」
リオにそう言われ、乙女座は数百年ぶりに安眠をし出した。
◇◆◇◆◇
話は星座戦争に戻る。元々この星座達の戦争は人こそ世界で最も優先される種族であると言い始め、他種族を奴隷のように扱いだした人の星座が発端だ。
始めに『魚座』と『牡牛座』はそれに協力し出したら、人こそこの世界に有害な種族であると『蟹座』と『獅子座』が声高らかに宣言する。
本来『黄道十三星座』という神々は、地上に降りて仮初の身体と共にあり、星を浄化するのが使命である。なのに、多数の星座がそれをやめた。
残った星座で浄化作業をすると思いきや、迫害されていた魔の種族、魔族を支援する『山羊座』、『双子座』、『蛇使い座』、『蠍座』が現れ、一気に均衡が崩れ出した。
残った星座で今度こそ、世界を浄化しないとまずい。そう思っていたのに、中立を宣言していた『天秤座』と『射手座』が戦闘に参加する。
『牡羊座』は獅子座に食われた。いまは奴の腹の中。
『水瓶座』は利用はされていないが、身体を失い、魔の星座に捕まった。
もう誰も浄化作業をしない。しなければ全ての種族が死に絶えるのに。
「故に乙女座は全てを担うことになり、今日まで寝ずに働いていた」
聖女達の前で宣言するのは水瓶座アクア。アクエリアスと言う称号を持つ存在だ。
「だがリオのおかげで動きが変わった。蠍座は空の座に縛られ、水瓶座である自分は自由になった。故にこの地より水の領域の浄化は自分が担当する。いままで浄化をしていてくれてありがとう。聖女達よ、感謝する」
「「「勿体なきお言葉です」」」
久しぶりに乙女座はふかふかのベットの中で眠っている。リオが時々入り、お世話している。
聖女達は水瓶座と乙女座がいなくても進められる話を進めている。できる限り仕事を減らす。両方の総意見だった。
カトリーヌは、武国より腕の立ち、信用できる武官を派遣させていただきますと宣言される。
アニエスは経済面をサポートする者達を派遣すると約束した。
シンシアは冒険者達との連携、新たな職業のサポートをする話に決まり、話はとんとん拍子に進んでいく。
こうしてリオに世話される乙女座は、目が覚めたら可愛らしいパジャマにされて驚いたが、すっきりした顔でドリンクを飲み、心身ともにリフレッシュした。
「久しぶりに眠れた。ありがとう水瓶座、おかげでもう少し頑張れる」
「それはよかったよ」
「しかし、良いのか? 湖に白夜が泳ぐようになり、白夜を捌いて出すのは?」
「いいのではないですか? 浄化のおかげで白夜は大量にいます。少しくらい調理されても問題ありません。できるのはリオとクリームだけですから」
ドリンクも最高品である水瓶座の水を使い、フレッシュジュースにしてもらい飲んでいる。
「白の女王、その幼体もいるようだが」
「ですね。いずれデザートも用意できるでしょう」
「アニエスがなにか考えそうだな」
そんな話し合いを、リオの膝に上でする乙女座。しばらくしたら恥ずかしそうに離れ、しっかりとした話し合いをする。
星座達の話し合いは始まったばかりであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます