第34話・第二イベント:二日目

 二日目、キノとクリームが頭をひねって、美味しい物を作った。海鮮の出し汁を使い、醤油などで美味しく味付けをして、三度揚げて美味しくしたポテトチップスだ。


 なかなか美味しく、今日もテント前は長蛇の列。


 私は食材を取りに海へと向かった。


 ◇◆◇◆◇


 海の方に来ると、アイが頑張る。


 大きくなり、泳げるようになったこの子は、マグロまで取って来た。お口の収納スペースからどんどん出したりする。カツオもあるね。


 鵜飼のような感じになりながら、水中を探索すると、遺跡のような入り口がある。水中からしか入れない作りだ。


 とりあえず中に入ると、幽霊系か精霊系のエネミーがたくさん出るが、アリスが頑張る。


「ガルルルルッ」


 アリスの頑張りで探索すると、巨大な蛇が鍋の中に閉じ込められる様子がある。小さな人? が感謝して島には平和が戻った的なストーリー。


 角のある馬と狼もいる。島の住人だろうか? 情報に上げておこう。


 掲示板でそのような発見を報告して、私は遺跡の中を調べまわった。意外にもレベリングにはちょうどいいか?


「んーけどなあ」


 食材系を落とさないから意味は無いな。鉱物やドロップアイテムを確保しながら海底洞窟を後にした。


 ◇◆◇◆◇


 その後は岩山で食材、初心者エリアで薬の材料を確保。宝箱は二回ほど見つけて、一つはミミックだった。


 リオが粉々に破壊して、中から宝石を手に入れて、一時的にテントへと戻った。


「それじゃ、これが管理するアイテムね。好きに使って良いから」


 クリームとキノは戻って来たリオからアイテムを預かり、リオがログアウトしてからどうするかみんなで話し合う。


 クロが火遁の術を使い、火を熾して鍛冶をして、クリームなどは装備を作る。まずは試作品だ。


 とはいえ鍛冶スキルを持たないクロは、時間がかかり、やっと鍛冶スキルを手に入れてから、少し変わったことをし出した。


「鍛冶スキル持ちいるか?武器の耐久値を回復したいんだけど」


「鍛冶場はいま込んでるぞ。しばらく待たないと」


「むっ、そうか。ログアウトにはまだ早いな………って」


 クロが火遁の術を使い鉄を打つ。プレイヤーはまじまじと遠巻きに見ていた。


「頼めないかな?」


 そう言った勇者が現れ、耐久値の回復をお願いしたいと言うと、ポイント取引が発生した。まあ当然かとプレイヤーは納得して、相場の値段なので受け渡す。


 取引が成立したのか、クロは整備に入る。


「キノー」


 クリームとキノは傍で防具や武器を売る。作ったはいいがいらない武器。洋服系と鉱物系の装備であり、鉱物系は初心者がありがたがる性能していた。


「少し高いけど、僕らのレベルだと性能いいな。この籠手ください」


「あーーーーなんだこの洋服!?魔力暴走付いてるぞ!?」


「はっ?レアスキル防具かよッ。値段は高いけど性能も良いじゃないか」


 PKを狙う者が居そうなため、トップクランの人達がすぐに動いた。売り物として出してくれているだけで感謝するレベルだから、守らないといけないと判断した。


 こうしてトップの視線があるからか、クレームやいちゃもんを付けるプレイヤーは存外少なかった。


 レアスキルを習得できるアイテムとの取引に、クリームが微笑む。キノも料理を作り、ポテトチップスを売る。それはとても売れた。


「お皿の発注だね。喜んで!」


 隣にいた木工生産者さんが喜んで皿などを作る。ついでに売れていて喜んだ。


 お皿はまた使われるが、新規などのために皿ごと売っている。ポテトチップスは飛ぶように売れた。


 二日目はだいたいそんな感じに過ごして、リオはポイントを稼いでいく。

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