第33話・第二イベント:初日終了

 島の中心は遺跡があり、その前にセーフエリアがある。祭壇なのだろうか? 用途不明で調べているプレイヤーは多くいる。


 海岸エリア、海エリアと隣接していて、海の食材など水属性モンスターが多くいるようだ。


 東側は密林エリア、初心者エリアとも言う。ここは採取以外に用はない。


 残りは岩山エリアと草原エリア。岩山エリアでレベルが合うため、私はそこで牛などのモンスターをデットポイントで倒している。


 時々アイがブレスを吐き、クロと共にアリスが牛を倒す。シロとクリスもレベルが上がり、キノの回復量が間に合わなくなってきた。


「キノ~」


「よしよし」


 キノは私達のベースだと付いてこられないレベルになってきた。クリームは中央のエリアで宝箱から出たキャンプテントで待機している。


 キノも次のレベルアップで生産職としてホーム待機を視野に入れないと。この世界は弱肉強食、心苦しいけど仕方ない。


 針の攻撃が高いシロと、クリスの糸使いでのサポートはあるから、この子達は問題ない。


 そうして戦っていると、アイがレベルアップして進化可能になる。進化先はホワイトドラゴンと銀世界ドラゴンと言う名前。後者が強いから、銀世界ドラゴンに進化。


「お、お~」


 一回り大きくなるどころか、私を乗せて走れるくらいに大きくなった。


 一通りの物は全て口の中に収納。オムツ卒業に感謝。


 大きな身体でモンスターを薙ぎ払い、噛みつくなどの攻撃もアップしている。


 こうして一通り見て回り、私は中央へと戻った。


 ◇◆◇◆◇


 キノとクリームの出番が来た。料理スキル持ちが協力して作るのは、ハマグリ鍋。


 巨大なハマグリの貝を皿にして、昆布や石カツオと言う魚から出汁を取り、海鮮鍋として調理している。


「いらっしゃい、美味しい鍋料理屋だよ」


 調理していると、プレイヤーがちらほら見てくるので売り出すことにした。そしたら意外にも買うお客さんが多く、アイテム交換などで料理を売る。


 傍で開かれる木工の食器も売れながら、海鮮鍋はそれなりに売れていた。


「すいません、交渉したいのですがよろしいでしょうか?」


「はいはい」


 複数のプレイヤーが、自分達が宝箱などから手に入れた調理アイテムを渡す代わりに、食事など作っていただきたいという願い。これには助かった。


「それでは私がいないときはこの子達の面倒も見てくれると助かります。食材は提供してくれれば用意しますので、持ってきて渡してください」


「よかった。宝箱からコンロとか出てきても、スキル持ちがいないから助かります」


「うっまー♪この海鮮鍋うまいぞ!」


「僕らはそれほど提供してないですけどいいでしょうか?」


「その後も手に入れれば渡していただけるのなら助かりますので」


 その人達はなるべく騒ぎが無いように、クリームの面倒を見ると約束してもらい、料理を作り続けた。


「すいません、少し良いですか?」


 その時、強そうな槍を持つ統一されていない服装の人と、ケモットさんが現れた。


「こんにちは」


「こんにちは~自分も一杯買わせてください」


「自分もよろしいでしょうか?」


「はいはい」


 食材を売ってから、二人はどうもこの島のリーダー扱いで注目があるプレイヤーらしい。他にも行動しているプレイヤーがいるが、団体行動と協力関係が多いのは自分達らしく、私に色々聞きたいことがあり、話しかけてきたようだ。


 食材を一通り売り終え、余った食材をクリームとキノに渡す。残念ながらキノもホーム待機が良さそうだ。【ホクホクポテト】など渡して、好きに料理させる。


 二人と協力関係にあるチームの野営場へ移動。そこで色々聞かれた。


「水瓶座の子なら私が解放しました。いまは魔の星座さんの鉱山を手に入れたので、そこを住みやすくする予定です」


「ほうほう」


 プレイヤー名は『グットラック』と言う【推し活】さんは頷き、近々スピカちゃんを連れてくる様子である。その前に建物とか直さなきゃ。


 ケモットさんは検証班や考察班を呼んで、鉱山から手に入る鉱物が欲しいとのこと。


「鉱物の名前はレアメタルとミスリル、それと金と銀ですね。宝石はマジックダイヤモンドとオーシャンサファイアです」


 宝石の方は水瓶座の子から出ていた魔力でできた鉱脈らしい。自分がそこにいる限りは取れ続けるだろうと言っていた。


 レアメタルとミスリルは元々大きな鉱脈があって、そこを拠点にしていたらしい。その話を聞き、出店などの交渉をイベント後させて欲しいと言うクランリーダーなどいる。


 話はイベント後と言うことにして、イベント攻略だが、まず二日は無いか無いかを重点的に探すらしい。


「アクションを起こさないと起きない可能性はあるので、まずは島を一通り調べないといけません」


「私はポイントがあるので、食材売りと岩山の探索をしてますね」


「分かりました。ああそうだ、フレンド登録良いですか? 連絡ができるように」


 それに了承して、代表としてケモットとグットさんとフレンド登録をする。


 その後は海と山を交互に行き来して、食材を確保するだけに終わる。


 食器などを売る人から一通り感謝された。食材だけじゃ売れないからね。ポイントもらえたからラッキーだったよ。

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