第7章:第二イベント
第32話・第二イベント:サバイバルゲーム
イベント期間に入った。現実でのやることを終えて彼女はリオとしてゲームイベントに参加しようとしている。
「あの子は大丈夫かしら?すぐに部屋に閉じこもったって聞いたけど」
初日は土曜日、休日の人がいるだろう日の時間帯からスタート。もうすでにイベントが始まり、多くのプレイヤーがログインしている頃、彼女はマイベースだった。
妹に泣きつかれたら叱らなきゃと思いながら、お昼頃にログインし出す。
最初にゲームロゴが出て、次にイベント告知が入り、持ち込みアイテムの設定が始まった。
前に決めたアイテムを設定して、リオのプレイヤーを選ぶ。彼女が連れていけるメンバーも。
「テイマーやNPCを連れて行かない人はどうするのかしら?」
イベント準備は一人でして、ポイントを稼ぎたいと妹に伝えていたから、彼女は妹達、大手クランがどんな準備しているか知らない。
設定を終える前に、ルール確認をする。
今日からログインすると未開の孤島へログインすることになり、アイテムを五種類一個ずつ持ち込み、装備品のみでスタート。従魔などを連れているプレイヤーはパーティメンバー枠を使い、連れていけるとのこと。
プレイヤーは一つの島で300名のプレイヤーがログインして、各自島を探索して生き残る。
助け合いも一人で活動も可能。プレイヤーは初め5000ポイントもらい、それを使用して交渉、エネミーを倒したりしてポイントを稼ぐ。
イベント終了時そのポイントが交換リストにあるアイテムなどと交換できる。
また未開の孤島には様々なアイテムや宝箱が設置されていて、サバイバルに役立てて欲しいとのこと。
ケンカせず、楽しくゲームをしてくださいと締めくくられ、リオは了承ボタンを押してログインする。
「おねえちゃん」
アリスが抱き着いてきて、よしよしと頭を撫でる。
シロとクリスもいて、クロも傍で待機。キノも元気に跳びはね、クリームがお辞儀をする。アイをまず下ろして、大量に履かせた布おむつを回収、各々の身体に張り付かせたオムツを回収した。
周りを見る。密林の中だろうか、少し温度が高く、森林浴するにはぴったりな場所だ。モンスターの気配もあり、なかなかハードだ。
「よし、それじゃ頑張ろうか」
全員でおーと手を上げ、ここからサバイバルが始まるのである。
◇◆◇◆◇
私はまず採取ポイントを探しながら、宝箱とモンスターを探すことにした。
ゴブリンがいたので、首を刎ねようとしたが、アリスがすぐに動き、顔を粉砕した。よし。
今度はノーマルボアがいた。ここは初心者エリアだろうか? 私にはレベルが合っていないから、地形を把握したら移動しよう。クロが手投げ斧で倒す。
正直、私は採取ポイントで採取して、キノと共に行動。シロの反応を見て色々回収するくらいしか、ここでやることはない。
回復薬の材料は揃えられたので、次にご飯の準備をして、安全な場所を探すことにした。
そしたら海に出た。砂浜が広がり、クロが海の中に敵がいることを教えてくれて、アリスが狩りに出向く。
アリスは元気だ。ご飯を食べ、砂漠の周辺で鍛えていたからか、レベルはプレイヤー並みにある。大きな貝を倒して、持ってきてくれる。
名前は【浜ハマグリ】。水鉄砲を放つモンスターであり、海にアイテムがあると分かると、私はゆっくりと海に入り、泳ぐことにした。泳いでる間、クロやシロ、クリスはクリームの護衛です。
アイは【水泳】を持つため、海の中を自由に泳ぐ。私はリアル技能しかないので、しばらく泳いでスキルを獲得。そこから海の中を探索する。
アリスも付いてきて、泳ぎ方を教えたらすぐに覚えた。二人して少しずつレベルを上げることにした。
手に入れた物は【オーシャン昆布】や【火器カキ】と言う食材。海に潜って獲っている。
「うーーーー」
アイが何かを見つけた。宝箱だ。私はとりあえず宝箱に向かって冷凍ブレスを吐かせた。
なぜ? と聞かれても。ミミックっているじゃないですか? 私はミミックと宝箱の違いが分からないですから、初手はとりあえず蹴るか攻撃してから取り出します。
凍り付いただけでダメージ判定は無いので、この宝箱は宝箱です。持ち帰り、開けてもらうことにしました。
「(やる気に満ちたクリームがうんすと腕まくりをする)」
クリームが針を使い、鍵穴をいじりだします。キノも手伝い、宝箱が開いて、中から食器セットが出てきます。とりあえず回収ですね。
記憶を思い返して、こういったアイテムは持ち帰れるという話ですから、記念品として家でも使いましょう。アイのオムツ交換して、私達は森に戻ります。
しばらく歩いていると、広い草原に出てきて、プレイヤー達を見つけることができました。
「いらっしゃい!木工製品の食器とか売ってるよ!」
「回復薬、回復薬はいりませんか!?」
「南側のフィールド探索に出かけますが、どなたかご協力してくれる人はいますか?」
「すいません、食材系アイテムを売りたいんですが、買い取りたい人はいますか!」
プレイヤー達が輪になってセーフエリアで好きに過ごす。とりあえずここをリスポーン地に設定して、私達も本格的に活動しなければいけない。
こうしてゆっくりと進めるのでありました。
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