第30話・攻略砂の居城:後始末

 侵入者の捕獲が行われている頃、奴隷の反乱が起きた。そちらの対処に回せられる数が分からず、後手に回る蠍のモンスター達が一瞬で消えた。


「なっ」


 突然、地響きが唸りだすと共に大量の水が辺りから噴き出す。その水は………


「聖水だ!?」


「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」


 悪魔達が消えていき、蛇は水に飲まれて崖に落ちる。


 こうしてこの岩の要塞はたった一人の少女によって解放された。


「だいじょうぶ?」


「うん、ありがとうお姉ちゃん」


「いいよー」


 そうして水瓶を手に持ち、白い布を纏う少女のような外見の人。蒼と白の髪を持ち、リオが持って来た水瓶を持つ者。黄道十三星座が一柱、水瓶座アクアが目を覚ました。


「皆の者、もはやここに魔の星座の眷属はいない。安心しろ」


 アクアの言葉に奴隷達が喜びの声を上げ、リオとアクアに膝をつく。


 とりあえず手に入れた物を確認すると、リオは進化できる子はいないがかなりレベルが上がった。


 そしてクロが特別進化と言う項目で進化可能。


 シノビスコーピオンと言うのである。アクアがクロを進化させると良いよと言って来る。


「どうして」


「あなたが手に入れた蠍座の力を使うから」


 なんと、蠍座の力を奪い取ったらしい。クロはその力で進化可能。使ってしまえば蠍座は神の座から離れることは無いが、空にいないと消滅する事態になる。


「魔の星座を空につなぎ留めたいんだ。お願いおねえちゃん」


「しょうがないな」


 アクアの頭をよしよししてリオは進化をさせる。


 鎧が立派になり、刃のような針に鎖のような尻尾ができて、鎧をとなるクロ。かなりステータスは高く、変化はそれくらいか?


 他にも確認していると、PV許可と言うのもあった。よく分からないがYESを押しておく。


 狼の子供達がわーいと駆け付けてよしよししたり、美味しいご飯を作ったりと、要塞を横取りすることはできた。


 ◇◆◇◆◇


 装備がボロボロになり、鍛冶での強化と修復に入る。その時に奴隷であった猫妖精達がお手伝いすると言ったりと、武器の強化に入った。


 ここには特殊な鉱石が取れており、金や銀も取れる鉱山らしい。


「宝石も時々取れます」


「そうですか」


 老婆の代わりに少女が色々受け答えする。ここの年長者は老婆であり、後に猫妖精とラビットと言う種族とコボルト達がいる。


 みんなクリームから料理を受け取り、暖かい服装に着替え、リオのために鉱物を取ってきてくれた。


「とりあえず、みんなの事情を教えて」


「はい」


 まずは少女達、犬人族に似た種族。名を『ワーウルフ』と言う種族。雷鳴の爪と牙を持ち、雷を操る武人として生きていたが、魔の星座に滅ぼされた。


 ここにいるのは少数の者達だけで、他の者は材料にされたとのこと。材料のところで苦々しい顔をしたため、リオは深く聞かなかった。


 猫妖精達はどこにでもいる猫の妖精で、料理やお掃除など得意らしい。数合わせに捕まったとのこと。クリームがこの後に色々教え込むことになる。


 ラビットは学者肌の種族で、神に仕えろと捕まった。コボルトは商人の種族で同じようなものだと。


 こうして自由の身になれたがここは砂漠のど真ん中、どうすれば良いか分からず、とりあえずここを占拠すればいいとアクアは言う。


「私の力も戻ったばかりだ、ここで無理やり力を使われてたから、土台としては問題ない。少ししたらここを私の領域に変えるよ」


「他の星座は大丈夫ですか?」


「問題ないよ、魔の星座はたぶん動きたくても動けない」


 それは他の星座の動きがある。自分が蘇り、蠍座が力を失うばかりが、それを取られて空の星から動けなくなった。


「このまま地上に降りれば消滅するだけだからね、身体があっても意味が無い」


「そうなんだ」


「ずっと地上で私の身体から力を取って酒盛りしてたんだ。いい気味だよ」


 そう微笑み、とりあえずここを整えようと動き出す。


 名前のない者にアクアが名前を与えたりしながら、ワーウルフの女の子が自分に名付けて欲しいと宣言した。だからアリスと言う名前を与えると、テイムモンスターになった。


 色々やらないといけないものや、壊したために無い物もある。準備が必要だとあーでもないこーでもないと準備する。


「あっ、色々手に入るかも」


 こうして私は次のイベントで高得点を出すため、武器と洋服を鍛えることにした。


 アリスも鍛えるため、砂漠の周りで鍛錬して備える。メールでセツナに一緒にできないことを伝えながら、イベント当日までスキル上げをして備えるのであった。


「ところでアクアは男の子?女の子?」


「どっちがいい?」


「どっちでもいいや、お姉ちゃんの子だもん」


「うん分かった」


 こうして私は久しぶりにゆっくり過ごすのであった。

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