第31話・第2イベントへの準備

 まだ本格的な建て直しはしないけど、施設をそのまま奪い取ったリオ達。


 ワーウルフの子供達は手枷などから解き放たれ、お腹いっぱい食べて体力を回復させた。


 鉱山発掘は現在ストップ。守りを固めたらのちに再開する予定である。


 アクアは力を貯める為に王の間と呼ばれる場所で待機。リオは砂漠を往復してアイテムなどを確保していた。


「おーすごいねクロ」


 クロの新たなスキル。【魔蠍鎧装】というスキルを使い、リオの鎧になった。


 いままで装備している防具のステータスに上乗せされる形で強化され、クロのスキルサポートもある状態だ。デメリットとしてこの状態のクロは回復できず、HPは耐久値に変わり、一度鎧化すると3時間経つか死に戻るかしないと解除できない。1日一回の使用可能のスキルのようだ。


 リオは今度のイベント対策に頭を使い、イベントをどう過ごすか考えている。


 今度のイベントはリアル時間一週間、プレイヤーは強制的に無人島へログインされる設定だ。


 テーマはサバイバル。アイテムは装備している物以外、全て持ち込み禁止。事前に持ち込めるのは五種類のアイテムのみ。


 リオはどうするか考えだした。


 ◇◆◇◆◇


 私は釣り竿を作れないが、素潜りで取れば良いと釣り竿はやめて、一つは料理セット。


 二つ目は調味料セットと言うくくりで買い取ったアイテム。塩、砂糖、胡椒、味噌と醤油を入れて、残りはどうするか考える。


 キノがいるから調合セット、武器の手入れに鍛冶セット。


「けどそれだと回復薬は一つしか持ち運べない」


 イベント期間中は従魔の入れ替えは不可能らしい。


 これで連れて行くのはレベルの高いキノ、クロは確定。


 レベル上げにアイ、料理サポートにクリームを連れていきたい。


 残りはクリス、シロ。最後の一人は誰にするか。


「くーまー」


 クーはアクアが気に入ったのか、アクアの傍で遊んでいるし、アクアも気に入ってる。ならば無理して連れて行かなくていいか。


 ヒスイはマイホームがあるから、残していきたい。っていうかあの子は錬金術を教えるのが好きになり、住人に教えていて忙しそう。


 後一人連れていけるけど………


 そう悩んでいるとアリスが不安そうに話しかけてきた。私が悩んでいるからどうしたのだろうと。


「今度、異世界の私達のイベントで、無人島に行くことになって」


 そう話したら、アリスは私も行きたいですと言ってきた。


 お姉ちゃんだから、妹のわがままは聞かなきゃいけません。別にいいよね?


 こうしてNPCであるアリスを連れていくことにしました。一応判定ではテイムモンスターだし大丈夫だよね?


 ◇◆◇◆◇


 アリスを連れていくことにして、アリスの装備を整えようとクリーム達に相談。すぐに戦闘服は作られた。


 ボーイッシュな戦闘服であり、格闘術を持つアリスの役に立てる服装。


 雷を纏い、戦ってみたが強い強い。スコルピオンよりか弱いけど、そこは鍛えれば良いし。


 私が勝てたのは、相手が舐めていたこともあり、反射に使った相手の攻撃力が勝敗を分けた形だ。次は無いだろう。次に戦うことは無いけどね。


 グローブも最高の物を用意する際、コボルト達やケットシー達が協力してくれた。ブーツ、蹴り用の装備を作り、装備するアリス。


 私も装備を整え、強化できる限りは強化した。


「おねえちゃん」


 アクアが準備する私達に水瓶を渡してくれた。力で作った、綺麗な水を取り出す水瓶であり、魔力と体力を回復させてくれるらしい。これで最後のアイテムも決まったね。


「とりあえず、今度のイベントは戦闘をして、敵を倒して、ポイントになりそうなことはやるってのがメインだね」


 参加するみんなと話し合いをする。アリス達はよくわかっていないが、そういうものと伝えている。


 私の記憶力は良い方だ。ホームオブジェクトのアイテム欄で、城壁とかに仕えるアイテムがあった。交換でできる限り手に入れる気だ。


 アクアも一週間経てば、本格的にここを奪えると言う話らしいし、ちょうどいい。


「頑張るよみんな」


 全員が手を上げて、アイは踏ん張る。ああ、おむつがふくらんだ。替えなきゃ。


 こうしてマイベースだが準備はしっかりして、イベントに備えることにした。


 ………


 衣類でオムツを履けるだけ履かせて挑んでみよう。替えのオムツは必要だ。


「あーうー」


 アイも元気そうでよかったよかった。

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