第21話・新ダンジョン
セツナと遊ぶようになり、新たな街を発見する。町の名はザムイと言う町であり、ドワーフや獣人が多い。
鍛冶師の街なのか、金属を叩く音が鳴り響き、寒さに耐えながらこの町に住むと言う感じであった。
ここに宿をとるようになり、セツナとは別行動するようになるリオ。好きに動いていた。
銀世界の中で『極寒トマト』で作るオムレツなど作り、鍛冶スキルを上げるため、適当に武具を作り、冒険者ギルドの傍で許可をもらい、料理を売りに出したりした。
「うめぇぇぇ、こんなうめえの初めてだ!」
プレイヤーならず、町の人も買い込むようになり、週に二度、店を開くようになった。この頃、ヒスイは錬金術を使い、素材の強化や研究ばかりする。調合を覚え、ポーションも作るようになり、戦闘よりも楽しそうだった。
だからこそ、リオは新たなモンスターを探していた。今度はモフモフした子が良いと、鹿か兎に目を付けていたが、可愛らしいのを見つけてしまった。
「クマ♪」
白い熊である。小さな熊であり、大型はいない。地元に聞けば『白毛熊』と言う。大きな個体はこの辺りにはいない、小型だが群れで行動する熊らしい。
この子に決めたリオは何度もチャレンジするも手に入らず逃げられ、他のモンスターに邪魔されて雪の中で素材ばかり集めていた。
みんなで雪原、雪山を探索している。他に何かないか調べている。この近くに山の中にある湖に続く道はあるらしい。そこに行く道をプレイヤー達が探している。
こうして探していると、発掘ポイントを見つけ、発掘する。手に入るのは『氷塊』や『薬氷塊』と言うアイテム。
氷塊はただの氷の塊だが、薬氷塊は貴重な薬に使われるらしい。レシピは『凍傷回復薬』と『熱傷回復薬』。さらに『脱水対策薬』と言うのに使われる。
倉庫を持つ自分なら、溶ける心配無く保管できる。なるべく確保している。すると………
短刀を引き抜き、パリィする。弾かれた瞬間、火花が散り、白い影が姿を見せる。
「くっまぁぁぁ」
眼帯をして、毛皮を着込む白い熊。サーベルを持ち、強そうなそれは『やんちゃしろくま』と言う名前らしい。
「可愛い」
こうしてテイムするために対峙する。
剣げきが止まらず、鳴り響く金属音。
うまく剣で引っかけて上へとはじく。
「くま!?」
その瞬間、拘束魔法を使い拘束。モンスターフードではなく、オムライスやオムレツを取り出す。
「くま!?くま!!」
◇◆◇◆◇
名前はクーと付けて、オムライスを食べさせる。能力は、レベル1のプレイヤーか、それくらいだ。
スキルは【剣術】と【軽業】。それに【寒さ無効】が付いている。テイムするとレベルは1になるらしい。
メンバーはキノ、シロ、クロ、クリス、クーとなる。アクセサリーがあるから後一人連れて歩けるな。
装備を整え、色々見て回る。クーのレベルが3になる頃、クーが【採取】を覚え、どこかの道を見つけた。
「くま♪」
「偉い偉い」
こうして洞窟に入っていくと、だだっ広い湖を見つける。
◇◆◇◆◇
フィールドの名前は【深蒼地底湖】となり、広々とした湖が広がっている。水の色は蒼く、氷の壁や凍った氷など浮いている。
なんとも寒そうな場所だと思いながら、湖の水をすくうと『清純水』と言う、浄化された水で冷たく、品質など高い。レアリティは低いが、飲み水としては冷たいがうまいらしい。
魚が跳ねる音を聞き、釣り竿を使うと『深蒼魚』と言う魚が手に入る。氷を纏う魚でうまそうとのこと。
鑑定し続けたことで【鑑定眼】へと進化した。観察も【観察眼】へと変わる。
五つの眼系スキルを習得して、新たに【千里眼】を習得可能になり、習得しておく。ポイントをかなり使ったが、眼と言うスキルが強化された。
釣りの中に【凍結蟹】がいて、蒼い殻の蟹が手に入る。
こうして釣りをしていると、キノが騒ぐ。
「キノキノ!」
クーがいないことに気づく。辺りを見渡すと、クーは氷の破片に乗って遊んでいた。
「クー」
全員で急いで氷に飛び乗ると、そのままぶかぶかと流氷のように岸から離れていく。まあプレイヤーは死んでもデスペナルティ、いくつかのアイテムを無くして所持金が半分になって、ステータスが数時間半分になるだけだけど。
「お尻ぺんぺん」
「くまー!」
全てを吸い込むほどの蒼い世界で、お尻を叩く音が鳴り響く。
しばらくすると湖の中心部へと近づき、仕方なく向こう側まで漕いでみる。
「水の中に入るのかな?」
岸辺は少なく、水の中は深いようだ。水の中で行動はしようと思えばできるから、もしかしたら水の中がメインかもしれない。
長時間水の中に入れるスキルがあったか? そんなことを考えていると急に水に振動が伝わる。
「?」
強化された観察眼のおかげで、水中に魚影を確認した。物凄く大きく、深いところからこちらの様子を探る魚影。
「………アイテム確認しないと」
転覆されたら一巻の終わりだ。もう死に戻りを考え、アイテムを確認する。すると、水が大きくうなり、そして………
「えっ」
巨大な魚が口を開いて、我々を飲み込んだ。
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