第6話・広がる料理

【リンゴ酵母パン】


 調理者:リオ オリジナルレシピ


 満腹値+50 品質★3 レア度3


 テキスト:リンゴ酵母を使い、ふっくらふくらんだパン。わずかにリンゴの風味を感じる



 私が作ったパンはこのようになり、焼き魚もできている。



【アユの塩焼き】


 調理者:リオ 通常レシピ


 満腹値+25 品質★3 レア度2


 テキスト:川魚を塩で焼いた物。皮はパリパリ、中はふんわりしている。



 これらのアイテムを作れるようになり、今度は【パウダー山脈】と言う山付近へと向かう。出てくるのは少し強い、ノーマルボアや岩石ゴーレム。


 チキンファイターと言う鶏も出てくるため、料理素材集めにぴったりだろう。ツルハシが無いから、発掘ポイントを見つけてもスルーするしかない。今度買うか。


 ここはすぐに来られるが、長く戦うことはできない。それほど強いところだ。


 まだここのモンスターをテイムする実力は無いな。仕方ないから諦めて、いまいる子達を鍛えよう。


 キノは回復魔法を使えるようになった。シロは手に張り付いて腕装備のように扱っている。


 錆びた武器では与えるダメージも少ないし、けどシロがすぐに4レベルになった。気を付けながらレベル上げをして、スキルのレベルも上げよう。スキルの能力、アーツを習得できるかもしれないし。


 それは料理スキルが5になったときだ。【料理素材採取】と【識別眼】を手に入れた。


 ツルハシなども買えたし、もう少し山脈を探索するか。そして私はこのスキルがどんなものか知ることになる。


 ◇◆◇◆◇


 発掘をすると、【銅鉱石】や【鉄鉱石】を手に入れる他に【山脈岩塩】と【山脈砂糖】が手に入る。他にも【小麦石】や【胡椒石】。こんなものが採れるとはネットで出ていないが………


 モンスターを退治して森の方に逃げ込む。さすがに危ない。


「ん?」


 伐採可能な木をいくつか発見するが、ここまで多かったっけ? とりあえず一つを伐採する。


「よっと」


 これで胡桃の木などからチップを作る気だ。さすがに燻製は施設で作れるか分からないが、あって困ることも無いだろう。


 そしていつものように思いっきり斧で叩き斬ると、綺麗に切れた。


「?」


 こちらに倒れてくる木を私はキャッチした。???


 木はそこそこ分厚い立派な木。正直倒れ込んできたら潰されるが?


 そう思うと木を収納すると、こんなアイテムだった。



【バウムクーヘンの木】


 品質★4 レア度2 食用アイテム


 満腹値+40 MP自然回復3秒+1


 テキスト:花蜂蜜の森に生える食べられる木。ミルクフラワーの蜜がたっぷりで美味しい。



 なにこれ? 切り取って食べてみるとまんまバウムクーヘンだった。美味しい。


 【ミルクフラワー】ってなんだろうと思い、採取ポイントを探すと、あった。牛乳の花で特別な蜜が手に入ると出ている。


 採取ポイントに木もあり、調べてみると穴を開けられてメープルシロップが採れた。穴の開け方も気を付けないといけないようだ。


 ちなみにやり方はシロが知っていた。シロが【ミルクフラワー】の花を集め、【シロップツリーの蜜】を集める。胸やけしそう。


 キノも負けずにキノコを集めてくる。こちらは普通のキノコだと思ったら、毒キノコっぽい赤いのがあって鑑定すると、【トウガラキノコ】と言うもの。油が取れて、辛い味付けができるらしい。毒キノコと間違えないように注意と鑑定で出た。


 採取は二人が協力してくれたおかげで、さまざまなものが採れて、油など調味料も手に入った。料理の幅が広がる。


 ◇◆◇◆◇


「もうだめだぁぁぁぁ」


 リアル。晩御飯を美味しそうに食べていた妹が泣きながらそういう。曰く、ゲーム世界のご飯はまずい。


「いやね、レストランとか行けば良いんだけど、ほとんどのプレイヤーが利用するから満席が多いの。時間によっては売り切れもあって、料理アイテムの取り合いが問題視されてる」


「そうなの?」


「うん。それでもお金ないからって、店を利用できない人は買い食いだね。それでも取り合いだから」


 妹が言うには王都で料理アイテムを確保できないものが、色々とチャレンジしたりしているらしい。NPCの店はプレイヤーだけが利用する場所じゃないから、NPCもいるとのこと。


 単純にお金が無くて、泣く泣く保存食を食べる人がいるけど、モチベーションが下がる下がる。


「お姉ちゃんはどう?」


「お姉ちゃんは料理スキル6になりました。基本はキノコと野菜の乾燥スープとパン。ただの焼肉塩のみで、タレ無しが続いてるよ」


 それに目から鱗を落とす妹。あれ? そんなに凄い情報?


「凄いよお姉ちゃん。全体的にいま生産は鍛冶や調合に偏って、ほとんどは戦闘職だから誰も料理してないと言って良い状況でそれは凄い」


「そうなの?」


「ちなみにテイマーも不人気職」


 連れ歩けるのはプレイヤーと同じ本人入れて6人まで、パーティ同士組むシステムもあるけど、プレイヤー一人5体しか連れて歩けない。


 だがモンスターのステータスはいまのところプレイヤー以下。下手でもプレイヤーの方が有力と言うのが基本らしい。私は攻略メインではないからいいのだが。


「お姉ちゃんと合流して美味しいもの食べたい」


「はいはい、クリームとか作れるようになったから、バウムクーヘンのショートケーキクリーム乗せや、ドライフルーツのヨーグルトやジャム乗せとか用意しておくよ」


「おぉぉぉぉぉいますぐ合流したいぃぃぃぃぃぃ」


 こうして妹は王都周辺片づけて田舎町に出向くよと言って、ゲームに挑んでいった。私は宿題などしてからログインすることにした。

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