第26話 新たなる旅立ち。

 暗黒機械メカを倒して平和が戻ったモフモフ島。


「ふぅ、全て解決したね」

「はい。良かったです」


「もう何かパワーが漲っているね。たぎる」

「はい。この感覚ですよ」


「でもパワーのご利用は計画的にだよね」

「そうです。気をつけましょう」


 これから何か問題あったときの先鋒はシロとハク。それにメカパウンドなど各国の軍隊にも期待しよう。偉そうだけれど、僕らは再び要介護にならないようにパワーを温存させてもらうとする。

 僕らは最後の切り札だ。ふふ、カッコイイ。


 今回、僕らは要介護の巨大生物になった。だけど、誰からもイジメられることはなく、みんなに優しく援助してもらった。


 僕らが超強いから仕方なく僕らの相手をしているのではない。

 僕らが超強いから僕らを利用しようとしているのではない。


 あらためてそれが分かった。みんなからの愛を感じて、僕らはこの優しい世界がより一層好きになった。



  ◇◇◇



「ホタテ食べたいですね」


 突然、ニノが巨大ホタテを食べたいと言い出した。パワーが戻ったことにより食いしん坊のニノが帰ってきた。

 それにしてもそんなに巨大ホタテが食べたいのかな。


「えっ、今、ホタテ?」

「はい。もう何も心配はないですし。ホタテ美味しいですよ」


 確かに何も心配はないし、巨大ホタテは美味しい。

 僕らはみんなからの愛を感じたところではあるが、それはそれとして、巨大ホタテを食べに遥か南の海へと旅立つことにした。復活した僕らなら巨大ホタテにも完勝できる。


 全てがうまく収まり、美味しい巨大ホタテのことを想像して、ニノがニコニコ顔になっている。笑顔のニノは、やはり可愛い。

 そんなニコニコ笑顔のニノを見て、僕は久しぶりに呟いた。


「やっぱりニノは可愛いな」


 僕のこの言葉に、ニノはいつも決まってこう返す。


『……この姿は第一の脳あるじの想像ですよ?』


 しかし今回のニノは違った。


「えっ、あ、どうも。それよりホタテはどうしますか?」


 なんだよ、スルーかよ、僕はそう思ったが、美味しいホタテが相手では仕方ない。


「そうだね。みんなに挨拶してからホタテ食べに行こうか」


 僕らはみんなに向かって挨拶をする。


『ピヤアアアン!』(ありがとう)


 僕らのデバフ期間は、無事に終わった。

 結果的には、みんなの優しさを感じる素敵な時間となった気がする。

 僕らは、超強くても超弱くても大丈夫。


 終わり。







〜あとがき〜

あとおまけ2話を更新する予定ですが本編はこれで完結です。ここまでお読みいただきありがとうございます。

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