第124話 アリのダンジョン②

アオイとカリューンは、広い空間の中央へ走ってむかったあと、ブラットは僕に疑問を聞いてくる。


「なあ、俺達は何をすれば良いんだ?」


「それは僕にもまだ分からないけど、アオイの自爆で倒せなかった敵がいれば、そいつを倒す感じかな。とりあえずは何も起こらなくても警戒だけはしておいて」


「了解」


僕も本当に何が起きるのかは分からない。


アオイは確実にモンスターが襲ってくるとは言っていたが、アオイやカリューンからは明確なイメージが伝わる時もあれば全く理解出来ない時もある。


今回の場合は、中央部分に辿り着くと大量なモンスターが現れて襲われるから、モンスターを引きつけてから自爆し、モンスターを引き連れるのはカリューンがやるのが分かったが、自爆後に何をやるかはアオイが必死に説明していたが、全く分からなかった。


そんな訳で、ブラットとエレナはアオイの自爆から逃れたモンスターを倒すつもりで準備してもらい、マキさんとケイトさんには、そのサポートをしてもらう。


そして僕はアオイとカリューンの再召喚をするつもりなのだが、多分アオイとカリューンを再召喚したら精神力がギリギリなレベルになりそうだから、少し休まないといけないだろう。


出来ればカリューンは倒されないでくれれば精神力にも余裕が……


あ、そう言えばサポートジョブのスキルに実戦では未使用なスキルがあったが、アレならいけるか?




僕はカリューンにのみサポートジョブのスキルである【簡易結界】を発動させる。


アオイには自爆範囲があるから、【簡易結界】のせいでひとり自爆にならない為に使うのは止めておいた。


ついでにブラットとエレナにも【簡易結界】をかける。


そして、アオイがやっと中央部分に到着した。


「どんなモンスターが来るんだろうな?」


「やっぱりアリなんじゃないかにゃ」


「アリかぁ……」


ブラットは凄く嫌そうな顔をする。


「あれ? ブラットってアリが嫌いだっけ?」


「いや、嫌いというか……」


「?」


「にゃは……ブラットはアリに仕返しを食らったことがあるにゃから、苦手なんにゃよ」


「そんな事があったんだ……なんか地響きが」


「きっとアリの足音にゃね……」


「えっ? アリの足音でこの揺れ?」


地震が起きたのか?と思うくらいに、どんどん揺れが大きくなっていく。


「オイオイ、これはヤバくないか?」


「数は100匹以上にゃね……方角は多分あの穴からにゃ」


エレナが広場の上方向にある無数の穴を指差す。


やっぱりあの怪しい穴からか。


そして、地響きが始まってから数10秒後、穴から全長50cm位の大きさはある大量なアリが滝のように雪崩れてきて、あっという間にアオイとカリューンはアリにのまれてしまった。

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