第125話 アリの大群

「ちょ、数が多すぎ!!」


アオイが広場の中央部分に入った事で、何かしらのトラップが発動したのか、200匹は超えるかもしれない数の巨大なアリがボタボタといくつもの穴から雪崩れ落ちてきて、あっという間にアオイとカリューンはアリで見えなくなり、今もなおアリが増えていた。


「レイ、加勢するか?」


ブラットはあまりのアリの多さに危機感を感じ、少しでもアリを減らした方が良いんじゃないか?と提案してきた。


「いや、ちょっと待って……」


しかし、僕は提案を一旦保留にする。


まだアオイとカリューンは死んでないし、自爆もしてないので、まだ惹き付けが足りないと思っているかもしれないのと、せっかくアオイが【挑発】スキルを使用しているのに、ブラットが攻撃したらアリの攻撃対象がこっちに来て、アオイの自爆が無駄になるのは避けたかった。


アリが現れてからまだ10秒位だが、気持ち悪い位にワラワラとアリが蠢いている。


あの中で、よくアオイとカリューンは無事だな……。


アオイの防御力が高いのか……アリの攻撃力が弱いのか……。




……15秒経過。



……20秒経過。



あ、アリの雪崩が途切れた。


僕はすぐに全てのアリを【簡易結界】押さえ込む形で発動させる。


一応、アオイの自爆が最大限活かされるようにする為だ。


ドオーーンッッ!!


僕が【簡易結界】を発動させたあと、アオイが【自爆】を発動させ、【簡易結界】がアッサリと壊れる程の爆風が巻き起こる。



【死魂兵・アオイが死亡しました】


【アオイを再召喚しますか?】


「うおっ、すげぇ爆発だな」


「油断しちゃだめにゃよ。まだアリが残っているみたいにゃ」


アオイの再召喚を了承する。


すると、精神力がガッツリと減るのが分かった……前にアオイを召喚した時よりも精神力の消耗が激しくないか?


【アオイの再召喚に成功】


ふむ……どうやらすぐに再召喚すると、僕のすぐ横にアオイが現れる訳ではなく死亡した場合からの復活みたいだ。


これは再召喚するタイミングも考えないと、またすぐに殺されてしまいそうだ。


それにしてもカリューンはどうした?


アオイの【自爆】により広場全体に砂埃が舞っていて、状況がよく見ないのでカリューンがどうなったのか、分からないでいた。


とりあえず僕達にも【簡易結界】をはる。


それにより僕達の周りにだけ砂埃が遮断された。


この【簡易結界】は万能だな。


こんな事ならもっと使えばよかった。




「よし、見える様になったから、加勢に行くぜ」


「私もいくにゃ」


まだ砂埃が舞っている中、ブラットとエレナは既にアリの姿が見えたのか、武器を持ちながら走り出す。


ガキンッ!

ガキンッ!


そして、砂埃中から金属音が聞けえてきた。




蒼騎士アオイLv.29

スキル 剣術2、盾術2、挑発、自爆


魔犬カリューンLv.29

スキル 疾走2、噛みつき、威嚇2

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る