第121話 洞窟のダンジョン

僕達がダンジョンに入ると、そこに広がる景色は前回ダンジョンとは全く違い、地下洞窟の通路みたいな場所だった。


「ダンジョン感は凄いな」


前回がダンジョンっぽくないというのもあったが、僕の中にあるダンジョンのイメージ通りだな。


洞窟は横幅5mくらいで、高さ2mの広さがあり、薄暗くて壁が微かに光っている。


「あ、忘れるところだったけど、もう一体死魂兵が居て、召喚するけどビックリしないでね」


「え? まだ死魂兵がいるんですか?」


「うん、魔犬なんだけど、人なつっこいから犬みたいなもんかな」


「人数制限には引っかからないの?」


「犬はどうなんだろう……」


ダンジョンの人数制限が5人だからカリューンを人数カウントするのか分からないが、とりあえず呼び出そう。


「いでよ、カリューン…おっ」


人数制限に関係無くカリューンの呼び出しに成功した。


「バウッ」


これは魔犬だから人数制限に引っかからないのか、ダンジョン内の呼び出しは制限に引っかからないのか分からないが検証のしようが無いからラッキーと思う事にした。


「この犬可愛いわね、触っても大丈夫?」


マキさんは手をニギニギしながらカリューンを見ながら聞いてくる。


マキさんは犬が好きなのかな?


カリューンは僕の身長位の高さがある大型犬なのだが、黒い毛並みは確かにモフモフしたい感じではある。


「それは大丈夫だよ」


それにカリューンはしつけを完璧にされた犬の様に従順なので攻撃されない限りは大丈夫だろう。


「やったっ、イヌを飼いたいけど、家ではペットは駄目なんだよね」


「なるほど……」


マキさんは笑顔でカリューンをモフモフする。


「マキさん、そろそろダンジョン攻略するよ」


「ふふ……はっ!? ご、ごめん」


「まあ、まだモンスターの気配は無さそうだから大丈夫だよ」


前回のダンジョンでも最初は凄く簡単だったから、今回も入口辺りは安全だろう。


さて、今回はどんなモンスターが出るか……前回はスライムのみのスライムダンジョンだったけど、今回はどうなるか分からない。


相変わらず眼に集中すると黒いモヤの糸が見え、洞窟の先に繋がっている。


洞窟のゲートがあった方面は行き止まりで、今のところは黒いモヤのある方角のみの一本道になっている。


「エレナとアオイは先頭で進んで、ブラットは後方の警戒、ケイトさんとマキさんは真ん中にいて。ルートはまた僕が指示するよ」


「はいにゃ。とりあえずは真っ直ぐにゃね」


「そうだね」


それから1分位後、すぐに分かれ道があり、黒いモヤの方へと進む。


またすぐに分かれ道があった。


「今回は分かれ道が多いのかな?」


そろそろモンスターが出るかと思って警戒はしているが、まだモンスターは出ない。


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