第18話 漆黒魔導士……爆誕③
『アルファ、身体を使わせて貰うよ』
「はい、その為の身体です。ご自由にお使い下さい」
アルファはそう言いながらベッドに寝ている自分へ手を差し出してくる。
『ありがとう』
自分はアルファの手をちょんと触り、【多次元並列思考】【魔導操作】【魔導憑依術】を同時発動させる。
すると、赤ん坊視点の自分とアルファ視点で映る自分が見える。
なるほど。
この部屋には鏡が無かったから自分の姿は分からなかったけど、自分は黒髪なんだな。
てっきりお母さんと同じ青い髪色かと思っていたけど、真っ黒な髪色に黒い瞳……あれ?
黒い瞳に何か模様が見えるけど……なんだ?
この模様は……何処かで見た事あるけど……どこで見たんだ?
「大丈夫ですかマスター?」
考えに集中し過ぎてゴッキーさんの事を忘れてた。
「ああ、大丈夫だよ。自分の姿を初めて見たから、ちょっと気になってね」
「なるほど……可愛らしい御姿ですからね」
「まあ、赤ん坊だから猿っぽいけどね」
「いえいえ、将来羨ましい程にイケメンになりそうな赤ちゃんではないですか」
「あはは、そうなれば嬉しいけどね。ゴッキーさんもイケメンじゃないですか」
ゴッキーさんは身長200cmもある長身に長くスラッとした手足、褐色肌に腰まである長いボサボサした漆黒の髪色をした俳優顔負けのイケメンだ。
何故か普段は黒光りした全身金属鎧が落ち着くからと常に着ているから顔を見る機会はほとんど無いけど。
「ええ、私……マスター。母様があと10分位で帰って来ますから、ここから早急に離れないといけません」
「ああ、そうだね。早く町の外に出よう」
【多次元召喚】や【魔導憑依術】は自分が近くに居ないと駄目だったり、直接触れなくてはいけない制約があるから、家の中でやっているけど、お母さんにバレる前に家から退避しないといけない。
赤ん坊の周りに不審な全身鎧を着た大人が二人も居たら事件の匂いしかしないからな。
まあ、お母さんには秘密を暴露するって手段もあるけど、「あなたの赤ちゃんには前世おじさんの記憶があります」なんて言える強靭なメンタルを自分は持ち合わせていないので無理だ。
「それでは……【特殊光学迷彩シールド】を付与……」
ゴッキーさんの手から怪しげな黒いオーラが黒光りすると、ゴッキーさんの身体と自分の身体が背景に馴染んでいき、よく見ないとそこにゴッキーさんがいないかの様に見えにくくなる。
「おお、凄いですね!」
「私にはサポート能力しか無いですからね」
「ああ、えっちゃんの言っていたやつですね」
自分とゴッキーさんは自宅からこっそりと出て、町の外へと初めて出た。
家の中で大体の想像は出来ていたけど、科学力は発展していないタイプの異世界なのか、よくある魔法が発展した異世界ファンタジーだなぁ。
……それにしても。
『ゴッキーさんは空も飛べたんですね』
自分は町中を走ってるが、ゴッキーさんは無音のまま浮き上がり、町中の外を目指して飛び始めたのだ。
『まあ、私にはサポート能力しか無いですから』
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名前・レイ(0歳)
状態・良好
属性・※※※
職種・ジョブホッパー
種族・※※※
パッシブ・素材の極み、魔導の極み
転職の極み、調理の極み
多次元並列思考
多次元干渉耐性、真素認識
アクティブ・魔導操作、多次元召喚
亜空間接続、魔導憑依術
神魔武舞、魔導刀術
固有スキル・ジョブホッパー
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