ジョブホッパーの異世界創世譚

第17話 漆黒魔導士……爆誕②

ふぅ……。

白い部屋から現実時間に戻ってきた。

【神魔武舞】と【魔導刀術】をスキルとして取得出来たのだが、えっちゃん曰くまだ導入編みたいなものらしい。

スキルを取得すれば勝手に強くなるのかと思っていたけど、どうやら違うらしくスキルとは動作を簡略化してくれるだけのもので、使いこなすには至らないらしい。

本来なら最低でも初級編はマスターしてから戻って来たかったけど、精神力が先に尽きてしまいそうだったので、必要最低限の技術は習い、現実世界に戻ってきた。

あのえっちゃんが精神力は尽きるとヤバイからって、かなり真剣な表情で言っていたから、想像したくないくらいにヤバイんだろうなと思う。

それに【マナゲート】に入るにはある一定基準の精神力が無ければ入る事すら出来なくて、精神力の回復スピードや消費スピードは個体差があるので、えっちゃんですら予測が難しくて、しかも赤ん坊の肉体では更に回復スピードは遅いかもしれないと言っていた。

実際、白い部屋に滞在していた期間は約10年。

普通の人なら10年も真っ白な空間で修行していたら精神崩壊しそうではあるけど、自分にはちょっと風景に飽きるかなって軽いレベルだった事に自分でも驚いていた。

ちなみに亜空間転移は少なからず精神力を消耗するらしく、10年間ずっと白い部屋に籠り、えっちゃんがどこからともなく出してきたキャンプ用品で、えっちゃんと白い空間でキャンプみたいな事をするという極限カオスが待っていた。

景色が全く無い場所でのキャンプは、ずっとサボるアルバイト位に存在意義が無いものだった。

まあ、そんな極限状態で10年もキャンプしていたからか、【調理の極み】というスキルもサラっと取得していた。

これで極みのスキルは4つ目だけど、極みシリーズがそんなに持っているのは人としては異常だとえっちゃんが言っていた。

自分の中では極みシリーズのありがたみがいまいち実感出来ないのだけど……えっちゃん曰く極みシリーズは人類が目指す到達点であり、人が神の領域に踏み入れるきっかけだとか言っていたかな？

まあ、そんな訳で現実世界に戻って来たけど……まだ歯さえ生えていない赤ん坊なんだよな……。

白い部屋で10年も経ったのに、本当に現実世界では刹那の間なんだな。

★

さてと……お母さんが毎日買い物の為に30分位だけ外出する時間になった。

自分のイメージでは母が外出するときは、赤ん坊も一緒に外出するものだけど、何故かお母さんは一人で外出するんだよな。

この世界の常識なのかもしれないが、ちょっとモヤっとする。

まあ、そのおかげで自分が自由に出来る時間が作れるからありがたい。

それじゃあ……まずは【多次元召喚】アルファ！　ゴッキー！

シュン……。

「マスター、ご命令を」

「召喚されるのをお待ちしていました、マスター」

漆黒の全身革鎧を着たアルファと同じく黒光りの全身金属鎧を着た案内役のゴッキーさんを【マナゲート】から召喚した。

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　名前・レイ（0歳）

　状態・良好

　属性・※※※

　職種・ジョブホッパー

　種族・※※※

　パッシブ・素材の極み、魔導の極み

　　　　　　転職の極み、調理の極み

　　　　　　多次元並列思考

　　　　　　多次元干渉耐性、真素認識

　アクティブ・魔導操作、多次元召喚

　　　　　　　亜空間接続、魔導憑依術

　　　　　　　神魔武舞、魔導刀術

　固有スキル・ジョブホッパー

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