第11話 多次元干渉スキル

 はっ!?


 あれ?


 自分はまたあの応接室から戻ってきたのか……。


 この戻って来た時の、記憶が無くなってまた新たに記憶を埋め込まれたかの様な感覚は気持ち悪いな。


「あっ! レイ! 目が覚めたのね、良かったわ!」


 ムギュッ


「ばふぅ……」


 母親は自分が目を覚ますといきなり抱きついてきた。


 な、なんだ?


 しかも、巨乳を押し付けられて、本来なら嬉しいのかもしれないが、苦しい……。


 あ、ヤバイ……息が出来ない……あれ?


 息が出来ないのに苦しくない?


 普通なら息を数十秒でも止めたら苦しい筈なのに全く苦しくないぞ。


 赤ん坊だから?


 いやいや、赤ん坊こそ無理だろう。


 自分が悩んでいると母親は抱きつくのを止めて話しかけてきた。


「ふぅ……レイが無事に目を覚まして良かったわ……」


 あ、母親の顔をよく見ると……泣いてる?


「私はレイが死んじゃったのかと思ったわ……私が回復魔法で傷を治したら、意識がなくなるし……呼吸もごく僅かになるし……」


 なるほど。


 自分が応接室に飛ばされてる間は、意識が無いのは勿論だけど、呼吸もほとんど無くなって死にかけてると勘違いしたんだな。


 本当なら応接室に呼ぶタイミングを考えて欲しいところだけど、あの応接室へはいつでも呼べるわけでもないし、今回はあのタイミングを逃すと危ないかもしれないから、強引に応接室へ呼んだらしい。


「それにしても、レイを襲撃してきたヤツは何者かしら……私でも気配が分からなかったなんて……私では手に負えないとなると、エリーさんに頼むしかないのかしら? でも、エリーさんもエレナちゃんの面倒で忙しいだろうし……レオンはまだ数日は帰って来れないはず……悩むわね」


 母親が悩んでいる間、自分は応接室で学んだスキルを実践していた。


 そのスキルは、【多次元並列思考】と【多次元干渉耐性】という【マナゲート】を使う上では必須のスキルだ。


 いや、そんな必須のスキルがあるなんて、聞いてないよ!!と思わず叫んでしまった。


 金髪美女は賢そうな見た目だったが、話してみて分かったのが、うっかりドジっ娘で脳筋タイプの天才という、1番人にものを教えるのには向いていないタイプだという事が分かった。


 しかも、今回の【マナゲート】の取得方法を教えてくれている時の説明は明らかに金髪美女ではない誰かが指導したかのような違和感を感じたので、きっと金髪美女の裏には誰か上司的な者がいるんだろう。


 あと【マナゲート】って言う名前だから、てっきりゲート的な物を開いて、手をゲートに突っ込んで物を取り出したりするのかと思ったら、全く違うもので、多次元に存在する異世界に別意識を飛ばして、別世界に干渉するという、前回の説明は何だったんだよって位に違うものだった。


 ……そりゃあ、いろいろ試行錯誤しても成功しないわ。


【アイテムボックス】にイメージ的には似てるとか言っていたが、自分的には全く違うものだ。


 という訳で、【多次元並列思考】で自分の持つ亜空間のチャンネルにアクセスしようと思う。




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 名前・レイ(0歳)

 状態・良好

 属性・※※※

 職種・ジョブホッパー

 種族・※※※


 パッシブ・素材の極み、魔導の極み

      転職の極み、多次元並列思考

      多次元干渉耐性、真素認識


 アクティブ・魔導操作


 固有スキル・ジョブホッパー

       


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