第30話 発覚
俺は出張という名目で家を開けるとまだ3日ほど宿泊できるというのに蓮と美玖は早々に温泉郷から引き上げてきて、なぜか俺の家へと舞い戻ってきていた。
もちろん、俺はその様子を配信している。
¥10000
《ご祝儀!》
「ありがとうなのだ。でもなんのご祝儀なのだ?」
俺が不思議に思い、チャット民に訊ねると次々とスパチャともに教えてくれるやさしい世界。
¥10000
《アナル処女卒業おめ!》
¥10000
《レンけつあな確定w》
¥10000
《ダブルバイセックス》
《↑大草原》
《掘って掘られてるけどな》
リスナーはちゃんとサブチャンルの浮気を告発する動画のチェックをしてくれており、ガチムチ男たちに掘られたことをお祝いしてくれていた。
《さすが蓮、プレイが高度!》
《やっぱりドMかwww》
とある場所に腰掛け悶えながら、蓮は自分を犯した男どもに
「くそっ、くそっ、くそっ! オレが……このオレがあんな男どもにやられてしまうなんて、なんてことだぁぁーーーッ!!!」
「蓮くん……M男なのにダメなの?」
美玖がビシッと蓮に向かって、いくつもの革紐のついたバラ鞭と呼ばれる鞭で背中を叩く。
「はうぁっ! ちげーんだよっ!!! 女に責められるのと男に責められるのはまったくな!」
背中に幾つもの赤い筋が浮かんで痛々しいが、蓮はだらりとよだれを垂らして恍惚とした表情を浮かべていた。
蓮はあろうことか美玖の部屋でほこりをかぶっていた電動乗馬フィットネスマシンのシートを三角形状に魔改造した物に手足を縛られ、ウィ~ンウィ~ンと揺られている。
「あふんっ!」
なお彼の股間は……。
「ボクならなら絶対に萎えるであろうシチュエーションなのに、蓮は興奮してる真正の変態さんなのだ!」
¥5000
《ウマ娘に調教されとるの草》
¥1000
《もっと打ったれ!》
《叫び声キッモいwww》
「どうらやら、男の子たちに掘られてしまったせいで隠れていたドMの性癖が完全に開花してしまったのだ」
《間違いない!》
《美玖も女王さまに》
《メジ□マックイーン》
《↑やめろ、イメージ壊れるw》
《伏せ字しても分かるの草》
調教ネタで盛り上がるチャット民は蓮をおもちゃにさまざまな大喜利で楽しんでいた。
《分からせ棒で調教!》
《棒棒蓮》
《
《肛門を鍛えて真の穴馬にw》
《ダークホース大草原》
鞭に叩かれまくった蓮の棒棒鶏に美玖は発情期を迎え……いままさに乗馬フィットネスマシンから俺のベッドに移った蓮にライドオンしようとしている。
¥100000
《びっくびくにしてやんよ♪》
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規制解除及び【R18】シーンの閲覧には
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美玖に種付けを終えた蓮。
飛び交う
「ババーーーン! 蓮アウトォォ! 絶対に中に出してはいけないAV撮影24時なのだ」
¥454545
《ガキ使棒を尻穴に》
¥454545
《ガチムチ棒だろwww》
¥454545
《ガチムチの分からせ棒w》
「みんな、今日も見てくれてありがとうなのだ。良かったら、いいねとチャンネル登録をするのだ」
蓮と美玖は痴態をリスナーたちの前に晒し、今日も大好評に生○出し配信は幕を閉じた。
恒例のATMで配信で得た収益を確認すると凄まじいものになっていて、俺は機械の前で誰かに見られていないか、きょろきょろと挙動不審ぎみに左右を見回した。
摘要 お支払い金額(円) お預かり金額(円)
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振込 アールチユーブ ¥101,573,221
差引残高
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¥562,393,941
1億の振り込みを加えると5億円を超える貯金残高があったのだから。
なつみんとミランとのコラボ効果により、俺のチャンネル登録者数が激増し、エロ動画配信者として異例中の異例の500万人を突破していたのだ。
それだけじゃない。
俺はスマホの計算アプリをぽちぽちと弾いていた。美玖に渡した旅行券15万ぽっちの投資でメインとサブチャンルの両方の再生回数とスパチャを軽く見積もっただけで……。
3億かっ!?
あと2億円程度稼げば、俺は美玖の仮面彼氏からお役ご免になれる。そう思うだけでもっと頑張ってやろうと思っていた。
――――数日後。
蓮と美玖のアブノーマルなプレイを配信し続けていたが、ようやく蓮の休暇も終わりを告げ、俺の家を立ち去っていた。
ざわっ、ざわっとエントラスに人だかりができて、ずいぶんと騒がしい。俺が出社するとパリッとした良さげなスーツを着た薄毛で四十路ぐらいの男性が受付嬢たちにどなりつけている。
「あの男を出せっ!!!」
「申し訳ございません。あの男というのは私どもの社員のことでしょうか? もしよろしければ、その者の名前をお聞かせ願えませんか……」
「あの男が分からんというのかっ!!! 妻と浮気した上に私の死亡保険金まで契約していたクズ社員なんだぞっ!!! 貴様らの会社はだいたい……」
「あ、あなた……そんな大声で……」
男性に遅れて同じく四十路の女性が人だかりの社員の中から現れ、夫と思しき男性を諭そうとしていた。彼女の頬は赤く腫れ、夫婦喧嘩をしたであろうことは一目瞭然だった。
俺はその女性をどこかで見た覚えがあったのだが、まだ確証が持てないでいる。
そのとき男性が決定的なことを言う。
「うるさいっ! おまえは黙っていろ。私はおまえが浮気していたという加賀山蓮という男に会いにきたんだからな!!!」
なっ!?
俺が驚いた瞬間、人だかりの後ろの方でびくりと反応した奴に目がいく。そいつはそーっと会社のエントラスから集まった社員たちにバレないよう忍び足で自動ドアから外へ逃げようとしていた。
――――プルルルルルル♪ プルルルルルル♪
逃がさねえよ、蓮。
俺は蓮のスマホを鳴らす。すると蓮のスマホも連動して、着信音が鳴り響き一斉に集まった社員たちが振り返り注目を浴びていた。
――――加賀山! 貴様はなにをやったんだぁ!
――――加賀山くん……逃げるなんて卑怯だよ。
社員たちと受付嬢から漏れる罵倒と落胆の声。蓮は社員たちによって枕営業をしていた女性の夫の前へ突き出されてしまう。
「摩耶、なんでバラしたんだっ!!!」
蓮は枕営業をしていた彼女に眉根を寄せ、怒りを露わにして怒鳴っていたが、彼女の答えは意外なものだった。
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もうご存じの読者さまもいらっしゃると思いますが、小説家になろうから永久追放されてしまいました。追放物の本場から、リアルに追放されるとかなろう主人公もビックリです。ですが、なろうで書いていたときはまったく読まれなかったですけど、いい思い出しかないですね。ありがとう、小説家になろう。
これからは、カクヨムで頑張りますのでフォロー、ご評価の応援いただけますとありがたいです。
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