第29話 発展場
美玖と蓮の姿は俺たちにはまる見え、一方美玖たちは自分たちが監視されてるなど露ほどにも思ってないだろう。ちょっとしたマジックミラー物の雰囲気だ。
俺はスマホに登録している美玖の登録名を変更していた。蓮と浮気するとき、もろに具を見せてしまってばかりなのでウラ娘と変更しており、そんな彼女にコールする。
ヴーッ♪ ヴーッ♪ ヴーッ♪
すでに温泉からあがったばかりなのか浴衣で一戦交えようとむちゅむちゅとキスし始めた美玖と蓮、なのでなかなか着信に出なかったが……。
美玖を抱きながら、
――――くっくっくっ、オレに寝取られた哀れな哀れな恋人から電話だぞ、美玖ぅ! 出てやれよ。
――――えっ!? えっ!? そんなダメだって!!!
美玖を布団へ押し倒し、着信を拒否る彼女の下半身を責めて、蓮は無理やりスマホを操作させていた。
「美玖、もう着いた?」
『り、麟太郎!? うっ』
星乃から送られてくる動画には蓮にまさぐられ、思わず声を必死で殺している美玖の姿が映っており、逆にこちらは課長と姫野が吹き出しそうになるのを耐えていた。
『ど、どうしたの……いきなり電話なんて……はうっ』
「いや美玖こそ、大丈夫か? 変な声出して。やっぱり乗り物酔いでツラかったのかな」
『ううっ、うん。そそそ、それは、だ、大丈夫だからぁ……』
蓮は調子に乗って美玖の身体を撫でまわし、彼女がすでに手の内にあるかのような振る舞いをしていたが、すべてを把握している俺にとっては、ただのお笑いでしかない。
「連絡なかったから、心配したんだ。おじさん、おばさんは元気にしてる?」
『ああああっ、う、うん……げ、元気だよぅ』
「じゃあ、電話代わってくれる? ひさしぶりにおじさん、おばさんにあいさつしたいなあ~って思ってさ」
『ええっ!? あうんっ! も、もう温泉に出かけちゃって、はうっ! いないのよぉ~』
よくもまあ、美玖はご両親がいないのにぺらぺらと口から出任せが出るものだと思う。
なんせ元気なのは蓮の方なのだから!
本当に旅行券を渡してくれたなら、美玖は実家にいなくても問題ない。なので俺はさらに訊ねてみる。
こっちでは課長と姫野がお腹と口を押さえて、涙を流しながら爆笑しそうになるのをこらえていた。
「やっぱさぁ、美玖が帰ってこないって思うと寂しいなぁ……戻ってこれない?」
『む、む、むりぃん……だからぁぁ……』
美玖が稼げなくなってしまったら、はっきり言って、彼女はゴミでしかなくなる。そうなれば、家に戻ってきても入れるつもりはないんだけどなぁ!
蓮に責められて、美玖はくねくねといやらしく足を悶えさせていた。
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電話は大きな喘ぎ声がしたあと、プーッ、プーッ、プーッと切れてしまっていた。
布団を濡らし、畳を汚して、窓辺まで誘導したり、家族風呂でもきっちりやってしまうとか……。
最高じゃないか!
美玖の大根演技でも、俺にバレないか焦ったシーンはホンモノなので、抜群の撮れ高だったと思う。それにしても星乃は隠し撮りしてるはずなのにガチ過ぎだなぁ。
それだけ美玖に嫉妬していたんだろうか?
肖像権やらうるさいので姫野の力を借りて、黒目線やらモザイクなどの動画編集をしてもらい、サブチャンネルで洗いざらい晒してやる。
美玖が気絶してしまったことをいいことに蓮は障子で隔てられた
『くぁーっ! やっぱ結月の野郎から美玖を寝取るってのは最高だぁ!!! だいたい、あんな冴えねえ男が日向や姫野にモテるっつうのが気に食わねえ! その腹いせにきっちり寝取って、美玖はオレのモノでこのざまだ、はっはっはっ!』
「うわぁぁ……めちゃくちゃキモいですぅ。下半身どころか、全身にモザイクかけて一生取れなくしてやりたいですっ!」
「それについては姫野とまったく同感だ。結月には悪いが、美玖という彼女は本当に人を観る目がない……私は恋人は結月しか認めん!!!」
「そうそう、せんぱいを裏切って、クズ男の下に走るとかあり得ませんよ」
「二人とも大丈夫だよ……。俺は蓮にきっちり落とし前つけてもらうつもりだから」
体力の回復した二人は湯気の立つ岩場へとやってきていた。平日の真っ昼間ということもあり、人の姿はなく……。
『本当にしちゃうの?』
『当たり前だろ。美玖だって、そのつもりできたんじゃねえか』
蓮はバスタオルをチューブドレスのように巻いた美玖のおしりを撫でており、会話から考えてどうやら混浴露天風呂でも一戦交えるつもりらしかった。
それにしても星乃は潜伏スキル持ちなのかと思わせるほど、蓮たちに接近して撮影してるのに、よくバレずにいられるものだと思う。
――――んんっ。
温泉に足だけ浸かり、立ちながら蓮は美玖にキスをしており、身体をまさぐり始めていた。
『あんっ、蓮くん……誰か来ちゃう……』
『ははっ、美玖はその方が興奮するんじゃね?』
『ら、らめぇ……』
さすが浮気、騎乗、
蓮と美玖は露天風呂に誰もいないことをいいことに乳繰り合っていたそのときだった。
『そんな者とではなく、我らとやらないか?』
岩陰から三人の男たちが姿を現していた。
『なんだおまえらはっ!? まさか美玖を……』
美玖を隠すようにして、男たちの前に手を広げて立ちはだかる蓮。
意外と男らしいじゃないか! と思ったが、にやにやとにやけ面を見る限り、複数同時プレイをしようなど思ってるんじゃないかと勘ぐってしまう。
しかし蓮の思惑は男たちの驚愕の言葉の前に、すぐに潰えた。
『我らが女になど興味があるとでも思ったか?』
『ウホッ、なかなかの美男子……それにおしりがキュッとしまって、なかなかキュートではないか!』
『おう、その通り!!!』
武士沢温泉郷にはふんどしを穿いて、美男子を襲うガチムチの血に飢えた野獣が出るのだ。ただし、襲われるのはイケメンばかりなので、フツメンの美玖のお父さんが襲われる心配はない。
男たちは美玖に見向きもせずに、ずんずんと蓮への距離を詰めており、蓮は徐々に岩場へと追い詰められていく。
ついに蓮は露天風呂の岩場を背にしてしまった。
蓮の周りにはベンチプレスで150Kgを余裕で挙げてしまいそうな厚い胸板の男たちが囲う。
『み、美玖逃げるぞっ!』
『えっ!? 私……蓮くんが受けになるところ、見てみたいの』
『はあああァァァァーーーーーーーーーーッ!?』
俺もつき合ってから知ったのだが美玖は腐女子の気があり、特にイケメンがレイプされてしまう作品をベッドの下に隠し持っていたのだ。
はぁ……はぁ……と息づかい荒く顔を紅潮させ、蓮の様子を見守る美玖。
男たちは蓮が腰に巻いたタオルを引き剥がそうとしてくる。
『大丈夫だ! 最初は優しくしてやる』
『なんならローションも用意してあるぞ!』
『やめろっ!!! オレにはその気はない、ノンケを襲うんじゃねえ! おまえらで勝手にしてろ!』
蓮は必死でタオルを取られまいと抵抗するが、ガチムチ男たちは左右から引っ張り、蓮のタオルをビリビリといとも簡単に破いてしまう。
背中をドンと押され岩場に両手をついてしまった蓮はすかさず二人の男に腕を掴まれ、突き出てしまったおしりにガチムチの男が迫ろうとしていた。
『や、やめろぉぉぉ!!! アアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッッッッッ!!!!!』
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美玖だけでなく、蓮も新たなるスキルを獲得したんじゃないかと俺たちは会議室で議論を重ねていた。
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ここにきて、蓮がまさかのけつあな確定(?)
ごめんね、カクヨムじゃこれが限界だと思う。むしろこれでもマズいかも。蓮は新しい世界に目覚めたんでしょうか? まだざまぁはこんなもんじゃねえぞw 蓮が落ちぶれてゆく姿にご期待の読者さまはフォロー、ご評価お願いいたします。
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