第4話 NTRバズる

――――寝取られ。


 エンゲージリングを購入して帰宅した。美玖の作ってくれた豚カツを食べ終え、お皿を食洗機に突っ込む。


 部屋に入ったときに気づく。


 しまった!


 俺はうっかり配信を切り忘れていたことに気づいて、アーカイブの動画を確認することにしたのだが……。


 なんだよこれ!?


 それは俺の部屋に美玖と蓮が入ってくる様子が収められてはいた。二人は親密そうに肩を寄せ合い、いや蓮が美玖の耳に吐息を吹きかけると彼女がぶるぶると身体を震わせている。


「ダメったら……蓮くん」

「先輩の部屋でヤるとか、めちゃくちゃ燃えね?」

「そんなことないからね」

「マジ? つか美玖のここ湿っぽいぞ」

「興奮してるのかも……」


 蓮は美玖の腰元を撫で始めているのに、いやがるどころか頬を赤らめて、まんざらでもなさそうに見えた。


 や、止めろ!


 蓮! なに人の彼女に手を出してるんだよ!


 美玖! いやならちゃんと断れよ!


          《えっ? えっ?》

          《ゆずみかん、なにこれ?》

          《寝取られ?》


 チャットのログから、いつも見てくれるリスナーからの戸惑いの声が見られていた。つか一番戸惑ってんのは俺だよ!


 俺の願いも虚しく、二人は行為をエスカレートさせていく。


 美玖は俺の前では着たことのないような胸元の開いたセーターに、少しめくれただけで下着が見えてしまいそうなミニスカートを履いていた。


 いつも俺のチャンネルにはいつも来るリスナーとはまったく別のリスナーたちがどこからともなく姿を現し始めて、口々に二人のいちゃつきに声をあげる。


            《うほっ!》

            《清楚系ビッチじゃん》

            《えっつ》

            《この女えっろ!》


 表情もいつもの清楚で優しげな彼女はおらず、蓮を交尾の相手だと見たのか、目元が垂れたエロい目で見つめいていた。


 二人は俺の部屋での密会に興奮し始めたようで抱き合うと蓮は美玖の首筋にキスし始める。


 蓮はキスと同時に美玖の胸をまさぐり、美玖は気持ちよかったのか、甘い声で鳴いていた。蓮は美玖の後頭部へ手をやると無理やり美玖に唇を押し付けるようにキスし始める。


           《どうしたん?》

           《エロちゃんねる化おめ》

           《いきなりベロちゅー草》


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 美玖はセーターを脱ごうと裾をまくり上げると、赤いレースつきの派手なブラジャーが白い肌に栄えていた。


 しかし俺はその下着を見たことない!


「いいねぇ、オレの贈ったの着けてくれたんだ」

「う、うん……でも私にはちょっと派手かも……」


 そうだよ! 俺の贈った清楚な下着の方が似合ってるんだ! そんな趣味の悪いブラ着けるなよ。


「そうか? オレは似合ってると思うぞ」


 蓮が美玖を誉めると彼女はうれしそうに顔を赤らめ、それを見た蓮は美玖の顎をクイとあげさせ、キスを落とした。


 なんだよそれ……蓮にガチ惚れしてんじゃねえよ!


 蓮がネクタイとシャツを脱ぎ始めると美玖もそれに倣い、セーターを脱ごうと両腕をあげると、急いたのか蓮がセーターを引っ張り、強引に剥いだあとカーペットの床に投げ捨てた。


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「いいねえ、マジの赤ちゃんプレイ楽しみ。けど先輩のガキか、俺のかどっちなんだろうな?」

「それはやっぱり蓮くんかな」

「うっはーーーーっ! 先輩かわいそ!」


 美玖ぅぅぅ……。


 俺の知ってる美玖はもういなかった。子どもは二人くらい欲しいね、って話していたのに美玖が蓮の子どもを欲しがるなんて、悪夢でしかない。


「なあ、美玖。頼む見せてくれ」


 なっ!?


 断るよな? 断れよ!


「いいよ、でも笑わないでね……」

「笑うかよ」


 蓮は俺のベッドに腰掛け、美玖は後ろに手を回してブラを外す。乳房が目の前に露わになり、俺のチャンネル初のスパチャ獲得となってしまった……。

             

              ¥200

              《ナイスおっぱい》

              ¥200

              《素晴らしい》

              ¥1000

              《美乳!》


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 一戦交え終えた美玖と蓮を見たリスナーたちは歓喜のチャットを送っていた。


           《うっは!》

           《これマジもんじゃね?》


 美玖は俺にすら許さなかった避妊具ゴムなしで蓮には簡単に身体を許していた……。


              《演技……だろ?》

              《本物っぽい》

              《マジリアル!》


【うわっ、うわっ、わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーー!!!】


 動画を見た俺は、近所迷惑も考えずに断末魔のような叫び声をあげてしまっていた。


 俺の絶叫など動画の二人に聞こえているはずもなく、復活した二人は体位を変え、もう二ラウンド目に突入しようとしている。


 それを見た俺は急に胸焼けが襲ってきて、トイレに駆け込み、



 ゲボォォォォォォーーーーーーー!!!



 美玖の手料理が汚物そのものを飲み込んだように思えてしまい、吐き出してしまう。


 だが俺の胸のむかつきが収まることななく、喉に指を突っ込んで胃の中にある美玖の作った汚物をすべてかき出そうとしていた。



 ゲボッ、ゲボッ、ゲボッ……。



 蓮はこっそり営業と偽り、俺に知られることなく美玖を寝取っていたのだ。


 いやいま思えば端々にその兆候はあったが俺は見逃していた。



 はぁ……はぁ……。



 こんなことになるなら蓮に美玖を紹介なんてするんじゃなかった。俺は落ち込んでいた蓮に頼まれ、美玖と会わせてしまったことを後悔するが、もうすべて遅いと悟る。


 すべてを壊し尽くしたい衝動に駆られ、俺は部屋に戻り電動ガンを手に取って、サイトから画面を見たとき、生配信の再生回数に目が行った。


 ああ、50回か。俺のライブにしては割と再生されたんだな。


 じゃあ、ぶっ壊そう!


 そう思ったときだった。


 ん? いや万が付いてる。まさか、まさか……。



 ばっ、バカな!? 50万回だと!?



 ライブ動画なのにっ!?



 それだけじゃなかった。


 俺のチャンネル登録者数が1000人から3万人に膨れ上がっていたのだから……。


―――――――――――――――――――――――

ざまぁの開幕か?w

完落ち状態を書いてますが、美玖が蓮に落とされる過程が見たい方はフォロー、ご評価お願いいたします。


※雑修正でごめんなさい。事情はお察しくださいということで……。

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