〈第0.5話〉狂い日録
いかなる灼熱にも耐えうる我が肉体。
なぜ私が授かった?
なぜ私が選ばれた?
疑問を投げかけても、跳ね返ってくるのみ。
どんなに暴れようが、ただ周りの物が壊れて行くのみ。
そうだ、こんなことに意味などない。
ある日、そう気づいたのだ――。
その日から私は暴れることをやめ、その代わりに、常に狂って笑うようになった。
洞窟に鳴り響く
やがて、それも飽きた。
自分が『退屈』に なっていたことに気が付いたのも、その時だった。
そこで一度、自分の想いをぶつけたくなった、誰かに。
しかし、ここには、同族など来ない。
皆、私を恐れて、”遠く”へ逃げて行った。
この火山に 住み着いてから、だいたい200年、誰とも話していない。
退屈になってからは、また辺りを壊しまくる ようになった。
気が狂い、マグマを 浴びたこともあった。
……体が 変な匂いになった。
そして最近は、体を小さくした ままだ。
理由は、動きやすいから。
耐久力、火力、マグマ耐性などは 下がるが、やはり素早く動けると、エサを探すときなど、本当に楽だ。
もしも『客』が来たとしても、私を人間だと思い込み、逃げ出したりはしないだろう(それはそれで不服だが)
破壊の日々。
――私は今朝も、
だが、 ’’転機’’というのは、誰にでも訪れるもの。
——今、『客』が一人、来た
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