第9話 装備品を充実させよう
アマゾンで買った商品が注文翌日には届く。
異世界にいるのに通販が使えるのは光の空間のおかげ。
ただしこの光の空間30cm~40cm四角を通る大きさの品物でないと駄目なので、そんな制限があり大型商品は買えない。
だから今ある家具やテレビは大切にしないと駄目だ。
タブレットでアマゾンを見ているがアマゾンにも鉄の剣とか革の鎧とかは無いと思っていたが、レプリカなら普通に売っていた。
コスプレ衣装にしては作りは良いし値段も高い。
革鎧の本物と書かれている物があったが、どんな本物なのかは解らない。
商品を眺めていたけどサクラはサバゲー等のタクティカル装備にしたいと言い、それに合わせて新しい銃にする事になった。
たぶんバイオハザード(ゲーム・映画)の影響
この世界はエアガンでも異常なほどの攻撃力があるので
HK416デルタカスタム・ハンドガンにM45A1をチョイス
ノーマルで購入してこっちで魔改造すれば良い。
タクティカルベストに各種ポーチ類、あとは刃物を通しにくいと言われているシャツなんかをカートに投入。
サクラがエアガンを使えるなら俺もエアガンで済ませようと思ってステータス画面を開きながらエアガンを持ってみたけど、俺の場合は【装備不可】の文字が表示されてしまった。
サクラの場合はゴブリンが落とした綺麗な鉄の剣を使おうとしても【装備不可】の文字が表示されたのだ。
この事からこの世界で使える装備品にある一定の制限や規制のような物がかかっている不思議な設定になっていることがわかった。
そんなわけで俺はアマゾンで武器になりそうな物…金属バットとフルアーマタイプのプレートキャリアに各種ポーチ類をセットしカートに投入。
商品注文後も何回かゴブリンの襲撃を受けたが、1回に襲撃される数が減り、やがてオークの姿も見なくなる。
・・・
ゴブリンとオークに悩まされる事が無くなったが、代わりに凶悪そうなツノが生えた、真っ黒なオオカミ?が現れるようになったのだ。
赤い目で森の奥からこちらを見ていて、初めて見つけた時はすげぇ怖かった。
大きさは大型犬よりも遙かに大きく、下手したら馬より大きいのではと推測する。
森の奥から恐ろしい眼光でこちらを見ているだけなので正確な姿形まではわからない。
ほとんど動かない1匹と、時々動く1匹
2匹はずっとこちらの様子を伺っていて、2匹の事をツノオオカミと命名する事にした。
ツノオオカミが現れた頃からゴブリンやオークが現れなくなった可能性がある。
この家の敷地内ならば外からの魔獣?の攻撃も受けないので、庭で俺とサクラはゴブリンの腰巻きを洗浄しながら日々を送っていた。
洗浄方法も大きく変わり、アマゾンで取り寄せた高圧洗浄機を使う事で一気に汚れを落とす事に成功。
つけ置き洗いで数時間かかっていた工程が無くなったので大分時間短縮が可能となっていたのだが…
「腰巻きが来なくなったね!」
サクラはゴブリンの腰巻きが金になることが原因でゴブリンの事を腰巻きとまで呼ぶようになっていた。
俺も同じ心境。
追加で倒したゴブリンを含めて腰巻きが1,000枚以上だ。
それが1枚1万円で引き取ってもらえるなら、そりゃもう金の腰巻きだよ。
とまぁ冗談は置いておいて、俺達兄妹はほぼ毎日監視されるようにツノオオカミに見られ続けている状況だ。
「ゴブリンが来なくなったのは、たぶんあのツノオオカミが原因じゃないかな」
「目が赤くて怖いよね。私たちが外に出るのを狙っているのかな?」
ただ、オオカミの生態としては地球のオオカミは群れで暮らしていると自然情報番組で見た事があるが、俺とサクラが確認した限りでは最初の2匹だけ。
動態センサー付の監視カメラを設置して24時間監視してみたが、監視ソフトでも画像解析アプリで見ても他にツノオオカミが沢山がいる様子はなく、時々ゴブリンが現れると、ツノオオカミの頭が動き、それに気が付いたゴブリンが逃げていく様子が映っているだけだ。
サクラからの提案で、これ以上動きが無ければ俺達が完全に引きこもる事になるのでツノオオカミを何とかしなければならない会議がはじまった。
「狙撃するには距離が遠いよな」
「遠いし、森の木が邪魔でたぶん当たらないよ、それなら餌か何かでおびき寄せて倒すのはどうかな?」
「罠を張るって事か?」
大体こんなのは成功しない。テレビ番組で逃げ出したワンちゃん・猫ちゃんを捕まえるとかの企画で罠を設置しても大体引っ掛からずに逃げる。
飼い犬・飼い猫でそのレベルだ。野生のオオカミが引っ掛かるとは思えない。
「じゃぁお兄ちゃんが囮になって、私が狙撃するのは?」
「嫌だよ!あんなデカイオオカミ、双眼鏡で見たら大型の犬か下手したら馬より大きいだろ!間違って死んだらどうするんだよ!」
「まぁそうだよね」
サクラに囮呼ばわりされて少しだけ傷ついたよ
とりあえず俺が囮になるのは嫌なので、アマゾンで取り寄せた犬の餌と捕獲用の罠を駄目元でセットしてツノオオカミを迎え撃つ事にしたのだ。
動きがあったのは罠設置から2日目の深夜
監視カメラ画像に大きな変化があるとアラームが鳴るようにセットしておいた。
リビングルームで寝ていた所でアラームが鳴り響く。
監視カメラの画像を確認すると、予想外にツノオオカミの一匹が罠に捕まり、弱々しく暴れている所だったのだ。
でも様子が少しおかしい。このことに気が付いたのはサクラの方だ。
「お兄ちゃん、このツノオオカミ大怪我しているよ。お腹も大きいみたい…」
子持ちで大けがをしているから今までジッとしていたのか。
「もう一匹は?」
監視カメラの録画データを見ると姿が見えない。
数日間全く動いていなかったのに監視カメラから姿を消していた。
「違うよ!よく見て!」
サクラはズームボタンを押してカメラ映像を拡大すると、もう一匹のツノオオカミは森の奥で横たわっていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます