第8話 ドロップ品がゴミのようだ?

朝から6回ほどゴブリン・オークに襲撃を受け、全滅させた。

やつらが支払った命の代償がこれ。

家の周辺に転がる無数のドロップ品。

ゴミのようだ。


いやゴミだよね。


放置するとどうなるのか調べなければならないが、ドロップする訳だからそれなりに価値があるのかもしれない。


見張りをサクラに頼んで、昨日と同様にドロップ品拾いを行っていく。


緑光りする石 大×42個

緑光りする石 中×40個

緑光りする石 小×348個

腰巻き 400枚

銀貨 350枚

銅貨 600枚

錆びた剣や武器類が450点ほど

綺麗な剣や武器類が130点ほど

小瓶に入った液体が3種類ほどあり130本

オークキングの睾丸×20個

ハイオークの睾丸×20個


とオーク系の生々しい物が落ちていたが、無視するわけにも行かずゴミ袋の詰めていく。


「ところでお兄ちゃん、あの洗濯物なに?」

サクラが指さしたのは昨日洗ったゴブリンの腰巻きだ

茶金色に輝き、何か特別な動物の毛皮のような感じで俺のハードな洗い方でも型崩れを起こさずしっかりとした感じに仕上がっていた。

「あの汚いのがあんなに綺麗なるの!?ママはこんな柄の生地とか好きだから、ママに見せて良いかな!」

「いっぱいあるからかまわないよ。好きにしな」

「OK!」


サクラは昨日は見向きもしなかったゴブリンの腰巻きを手に取ると光る空間を使って母さんの元にゴブリンの腰巻きを届ける。


母さんの反応は良好で喜んで貰えたみたいだ。


さて、そんなに喜ばれるのならば他のゴブリンの腰巻きも洗ってしまおう。

外の洗い場でもこの数は狭いので、幼少期に使った自宅用プールを引っ張りだし、洗剤をぶち込んで洗剤液を作る。

その中にゴブリンの腰巻きを適量入れあとは翌日まで放置、素手でやると手荒れの原因になるから手袋をしっかりして洗う。


腰巻き臭いからね。


こんな感じでワッシャワッシャと洗っていく。


結局2日ほどかけてゴブリンの腰巻き400枚が洗い終わる。


この間にもゴブリンとオークの襲撃を受けたよ。

もう数えていない。


2日目は全てのドロップ品の回収する気もおきず、いくつか放置したら翌日には放置したドロップ品は全て消えていた。


どうやらドロップ品は拾わないと日が変わると自動的に消滅するシステムになっているみたい。

倒した後のモンスターの死体が残らずドロップ品になるってのもシステム的な話だった訳。


結局ステータスは

【名前】シオン・ヤマノ

【LV】10→(43)

【称号】オーク殺し

【体力】199/20[+180]

【魔力】50/5[+45]

【経験値】1,500,000/137


【名前】サクラ・ヤマノ

【LV】10→(43)

【称号】ゴブリンジェノサイダー(上)

【体力】148[+135]

【魔力】100/[+90]

【経験値】1,500,000/137


経験値が150万になってしまった


ドロップアイテムも一気に増えた


緑光りする石 大×82個

緑光りする石 中×80個

緑光りする石 小×648個

腰巻き 400枚+399(洗濯中)(1枚地球へ)

銀貨 699枚(1枚地球へ)

銅貨 999枚(1枚地球へ)

錆びた剣や武器類が850点ほど

綺麗な剣や武器類が230点ほど

小瓶に入った液体が3種類ほどあり230本

オークキングの睾丸×40個

ハイオークの睾丸×40個


ドロップ品はゴミ袋に詰めてまとめてあるが、武器類は庭にまとめて放置。

小瓶の液体とお金っぽい物だけは家の中に入れておく。


こんな調子で3日目が終る頃、母さんからのメッセージが届いた。


”シオン!あの毛皮どこで手に入るの?お友達の毛皮職人が是非欲しいって言っているの”

その後も異世界の銅貨と銀貨についての報告も始まった。


まずゴブリンの腰巻き、見た事の無い動物の毛皮で地球で安く売られているフェイク毛皮とは違い本物の質感のある毛皮と高評価。


俺達兄妹は最弱モンスターの部類だと思うゴブリンの腰巻きがそんな良い物だとは思えず、当初は信じられない評価だったが、その職人さんは他の職人達を呼んで毛皮の評価会をやった。

世界には毛皮職人の知らない上質な毛皮がまだ有るんだとかで盛り上がり、結局何の生き物なのか解らないけど、これだけの品物なら適正価格で引き取りたいと言う話になったらしい。

ちなみに彼らは販売禁止されている動物の皮にも精通しているので、今回のゴブリンの腰巻きは何の禁止動物にも該当しないとの事でお墨付きを得ている。


ゴブリン腰巻き1枚1万円だ。すげぇ!


綺麗なのもあるが凄く汚いのもあると伝えると、それについては後日連絡をくれるとの事。


続けて銅貨・銀貨の事。

これは街の貴金属買い取り店に持っていったのと親父の知り合いの大学の先生の所に持っていって鑑定してもらった結果だ。


貴金属買い取り店では、何だか解らないコインとして扱われ、一応比重とか調べられて歴史的価値とかは無視して純粋に重さで買い取る。


銅貨についてはほとんど価値なし。

品質が良く無いので 1キロ500円位で安い。


銀貨は1枚15グラム程度あり、1枚1,000円位で買い取ってくれるそうだ。


大学の先生の方は返事待ちの状態で3日位では調べられないと思うよ。


大体は想像ついていたけど、この世界の硬貨にはあまり価値がないみたい。

腰巻きが売れるとは思わなかったので、明日からは腰巻きに重点を置いて回収しようと俺とサクラは誓ったのだった。


その後アマゾンで必要な物を注文して妹の装備を充実させることにした。

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