第10話 長門優に降る天罰
結菜、俺、嫁子。
嫁子は、俺とはもう付き合わない、と言った。
そんな言葉を聞いての翌日。
俺は学校に登校して来ていた。
すると.....優が居ない事に気が付く。
その事に俺は、?、を浮かべて見ていたが。
そしてその日の昼休みになる。
中庭にて。
「長門はどうなったと思う?」
「長門?.....分からないねぇ」
「私も分からない。優さんは」
そんな感じで俺達は居ない優の事を話していた。
しかし何処行ったのだアイツは。
思いながら俺は顎に手を添えて考える。
まさかとは思うが俺達の考えがバレたのか?
「うーん.....何処に行ったんだろうね。長門」
「.....分からないね」
そんな会話をしているとふと見た校庭の付近に誰か来ているのに気が付いた。
それは優である。
俺は、!、と思いながら優を見る。
何だアイツ今頃来てから、と思うのだが。
そして見ていると優が警戒心マックスなのに気が付いた。
かなりビクビクしてナヨナヨしている。
は?
「.....何だアイツ?」
「.....うん。分からないね」
そんな感じで会話をしていると結菜の電話が鳴った。
それから結菜はスマホに出る。
すると聞き慣れた声がした。
それはこの前会った人物。
つまりレッドピースのメンバーらしき声。
『ヘッド。奴を締め上げました』
「.....え?誰を?」
『アタシらどうも長門優の事が許せんので長門を締め上げました』
「.....え.....」
まさかの事態に俺達は顔を見合わせる。
それから声を聞いてみる。
すると、私らを知らない感じでナンパしたんすよ。彼。だから私達が締め上げました、と答える。
ウッソだろ、という感じだった。
『まああんだけ締め上げたらもう悪い事はしないと思うんで』
『私らはそう思います』
「いや。やり過ぎるなよ?お前ら.....」
『真っ当に生きてほしいから締め上げただけっすよ。若旦那。それに締め上げたのはそれだけが理由じゃ無いんで』
『そっす』
それであんな萎縮した感じなのな。
思いながら居ると背後のドアが開いた。
それから優が顔を見せる。
俺達に怯える様に。
そして、す、すまなかった、と言ってくる。
「もう俺は君らには近付く事は無いから。す、すまない」
「優。お前には天罰が降ったな」
「.....」
「これに懲りたら二度と何かしようとか思うな」
「そ、そうだね.....」
何をされたかは分からんが顔に絆創膏がくっ付いている。
俺はその姿を見ながら溜息を吐きつつ見送る。
その日から2週間が経ったが。
優は転校してしまった。
つまりはまあ.....本当に反省しているのだろうとは思うが。
☆
何をして何をされたかは分からん。
だがまあ相当な事はされたんだと思う。
そう思いながら俺は外を見る。
あの時から2週間経って7月になった。
俺は梅雨が明けた空を見る。
「.....ふあ.....」
そんな感じで大欠伸をしていると。
ゆーちゃん、と声がした。
そして俺は背後を見る。
そこに結菜が立っていた。
「.....おう。どうした。結菜」
「クラスマッチだよぉ」
「.....そうだな。嫌な事を思い出させるな」
「嫌な事でも思い出さないと。やらないといけないでしょ」
「.....まあそうなんだけどな?」
俺は苦笑いで結菜を見る。
思い出したく無い事もあるんだよ。
そう言いながら周りを見る。
周りはクラスマッチの事で盛り上がっていた。
しかしまあ.....眠い。
「.....いまいちピンとこない。色々あったしな」
「そうだね。.....まあ浮気の事もあったしね。よーちゃんの浮気の濡れ衣」
「それなぁ.....」
「.....で、今度は私の噂も何だか.....」
「.....そうだったな」
クラスマッチにはなっている。
だけど俺達にはかなり冷たい目が向けられていた。
それはまあ.....結菜の事に関して、だ。
何かといえば昔、不良であった所、である。
締め上げたのがバレた様だった。
「まあ気にすんな。優が最後に俺達に残した負の遺産だけど.....でも時の流れが解決するだろうし.....」
「そうだったら良いけどね。.....私は昔も居場所が無くなったから怖いんだよね」
「.....浮気から随分と話が広がったよな。全く」
「そうだね.....確かにね」
そんな感じで会話をする俺達。
そうしているとドアが開いてから。
ポニテの眼鏡を掛けた真面目そうな1年の女子が顔を見せた。
俺は、?、を浮かべてから見ていると。
「あ。このクラスでしたね」
「.....?.....アンタは?」
「遠野由紀子と言います。初めまして」
「.....ああ。そうな.....」
そこまで言ってから。
眉を顰めている結菜が居る事に気が付いた。
俺は?を浮かべてから見ていると。
遠野由紀子、じゃないよね、と切り出した。
え?、と俺は思って2人を見る。
「.....はて?どういう意味ですか?」
「.....貴方の事は知っているから」
「.....」
遠野由紀子は仮名だよね、とも。
俺はその事に意味が分からず2人を見ていた。
何だか知らないが優が去ってからかなり複雑になってきた様な?
俺はそんな思いを抱きながら注視した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます