第4話ジブンよ響け!
「あの、こんにちは。僕石火って言います。」
「えと、こんにちは。陸戸陽菜です。どうしたの?」
「いや、皆部活どこ入るのかなって。」
「私は入らないつもりだよ。……石火君は?」
「僕も入るつもりはないけど……陸戸さんも?でも何か、手、器用そうだし、絵とか描いてるのかと思った。」
「私そんなに上手くないよ。それに、習い事はする予定だから。」
「何かやってるの?」
「うん、ピアノ。」
「ああ、なるほど。ピアノ弾けるのかっこいいよね。あ、じゃあ、頑張って。」
「うん、またね。」
ふう、このクラスでも何とかやってけそうかな。今日は石火君に話しかけられたし。さて、今日はレッスンお休みだけど、家帰って少しは練習しなきゃな。……
「ねえ、もうちょっと音下げてくんない。そのキーボードの音響くんだよね。」
「あ、姉さん。えー……分かった。」
「こっちだってこんなことわざわざ言いたくないけど、耳痛くなってくるの。」
「うん、ごめんなさい。」
もう、確かに音が鳴るとはいえ姉さんの耳は音を拾いすぎる。コンクールが近いからもっと練習しなきゃいけないのに。それにしても、私会話する時まともに話せてない気がする。それなのに心のなかはこんな感じだからね。中学は口数少ないのに辛口だったから失敗気味だったけど、高校では頑張ろう。
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