第7話 反撃


僕とアリサが同時に駆け出しその後ろにキャサリンが続く…敵の背後から斬りかかり、騎士達の援護を始める


「ぐわっ!」


「あ、新手!?は、背後からだと!?」


「あれは!」


「アリサお嬢さん!」


「レイもいるぞ!」


騎士団にはちょくちょく顔を出していたので知人もいる、僕らに気付いたようだ


「皆さん!加勢に来ました!敵は怯んでいます!」


「ふっ!キャサリン、右!」


「任せて…ファイアアロー!」


「うわぁ!ま、魔法師か!?」


「アリサ!」


「わかってる!」


「「緋空斬!!」」


同時に斬撃を飛ばして、敵を蹴散らす…よし!突破口になった!


「皆さん!今です!一気に制圧しましょう!」


「「「「おおぉ!!!」」」


騎士達の士気も上がり次々に敵を倒していく


「レイ!大きいの行くよ!」


「了解、皆!散開!!」


「イフリート・ウェーブ!!」


キャサリンが炎の波を創り出し敵を飲み込む…これ、大丈夫かな?死んでない?


「ん、火力は抑えた…鎧を着ていれば軽い火傷で済む、意識は残ると思うから今のうちに」


「流石、皆さん!今のうちに捕縛しましょう」


騎士団と協力して、なんとか制圧できた

数人、騎士を見張として残し、ウィル達を回収してから官舎に入った、そこで大まかな情報を聞いた


「つまり、あの爆発は突然魔法による攻撃によるもの…敵の所属もまだ分かっていない事…相手が優勢な事…」


「あぁ、我々も応戦していたが、完全に包囲されている上、敵の戦力の方が多い…籠城してなんとか持っている状態だ」


「おとう…父は?」


「団長なら戦場で直接指揮を取っております、正面の戦場にいるはずです」


「僕らも力になります、使ってください」


「何を言う、レイ…いくら強くても君らはまだ学生だ…ここで戦場に出るのは早すぎる」


「ここまで来るのに既に何度も戦っています!父が剣を取っているのに私にただ見ていろと!?」


「少ないけど力にはなれる筈、今は学生だとかと言っている場合ではない、テロリストが軍を率いている…」


「そうだね、何処かの国が動いているのは間違いないと思います」


「そんなもの、帝国に決まっている!奴等は幾つもの中立国を攻め落としている、ついに我らの国がその標的になったのだ!」


「………いや、帝国ではないと思います」


「何を…」


「皆さんも知っている筈です、確かに帝国は中立国家を攻めて国力を底上げしていますが、そのどれもが正面から正々堂々とです…彼等は悪辣な手を嫌う、力で全てを制すそれが帝国です」


「そうね、帝国はこんな無差別にいきなり都市を攻撃したりしないわ」


「……確かに、奴等からは帝国騎士の誇りを微塵も感じぬ」


「!?お父さん!よかった…無事で……」


「アリサ、お前こそよく無事だった…レイ、キャサリン嬢、娘を守ってくれて感謝する」


「いえ、僕も助けてもらいましたから」


「ん、お互い様…私達は親友だもの」


「うむ、それでレイ、お前の意見は?この状況、どう打開する?解決策は?」


「お、お父さん?なんで、レイに…」


「だ、団長!?いくらレイでも、まだがくせ…」


マテウスさんが手を挙げて騎士の口を塞ぐ、僕は問われている…そして、見抜かれてるな


「まず、敵の戦力は?外にいたのなら把握してるんですよね?あとこちらの戦力も教えてください」


かなり不遜な言い方だが、マテウスさんは気にしない


「ここの敵は恐らく600〜700だ、対して我々の現状では300程度だ、街全体に騎士を展開しているからな、集めれば1500はいる、だが…」


「敵も、街に居る、ですか……場所は?」


「ここと、商業区、貴族街、中央広場の四箇所だ、敵の総戦力は多くて4000……明らかに数では負けている」


「………なら、さっさとここを制圧して騎士団を二分、商業区、貴族街に回してください、恐らく1番、戦力が振られているのは広場です、城の真正面ですからね、ならば他3つはそれほど多くはないでしょう、広場に2000、他に600程度、ここと広場の戦力を2つに送ればそれぞれ700、数はやや上回ります…あとは騎士の実力差で押し切りましょう」


僕が話し終えると皆は静まりかえる、そりゃ言ってる事はめちゃくちゃだ、当然の反応だよね、けど、マテウスさんはニヤッと笑い


「確かにそれならば我々が負ける事はないだろう、だが広場はどうするのだ?まさか、城をくれてやるのか?」


マテウスさんは静かにしかし目だけは笑ってない、射殺すような視線で問うてきたので、僕も笑顔で答える


「僕が行きます」



 

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