第6話 突破口
騎士を倒し、アリサ達を追いかけて走っていると複数の騎士に囲まれているのが見えた
「くぅ…キャサリン…ここは私が押さえるから逃げて…」
「無理、私じゃ2人を運べない…それよりも私が障壁を張るからアリサが逃げて…」
「何を言っている?貴様らは全員始末する…逃すわけないだろ」
僕は気配を消して最速で近づく…魔力を練り上げて剣を抜く
「緋空斬!」
剣に魔力を纏わせて振り抜く、炎を纏った斬撃が放たれアリサ達を囲っていた騎士達の右翼を襲う
「な、なに!?新てギャァ!」
奇襲に困惑している間に左翼に斬り込み
「アリサ!キャサリン!正面を頼む!」
「レイ!…っ…わかったわ!」
「任せて…アクア・エッジ!」
彼女達に残りを任せ、左翼の騎士を次々に斬り伏せる……最後の騎士も倒す
「ふっ!………ふぅ、2人とも怪我は?」
2人もなんとか勝ったようだ
「大丈夫…ありがとう、レイが来てくれなかったら危なかった、それと、レイこそ無事で良かった」
「レイ、また助けられちゃったね…ありがと」
「ううん、僕1人じゃダメだったよ、2人も戦ってくれたから……ウィルとノルは?怪我の具合は…」
未だな意識が戻らない2人を案じ、容態を聞いた
「ん、2人とも傷は浅い、命に別状はない…けど、ちゃんと治療したいと後遺症が残るかもしれない」
「わかった、ウィルは僕が運ぶよ、アリサ、ノルを頼む…キャサリンは周囲の警戒を」
「了解…」
「わかったわ,任せて」
再び敵が来ないか不安になりながらも、僕らは騎士団に向けて歩み出す、態度には出さないが2人とも顔色が酷く悪い…無理もないか、突然の実戦だ…訓練とは違う命を賭けた殺し合い、いきなりそんな事になれば疲労するのは当たり前だろう…ウィルとノルがやられた事や騎士団の方で爆発があったのも余計に不安だと思う
「2人とも、もう少し頑張ってくれ…生き残るために」
「……ええ」
「わかってる…」
しばらく歩いて、目的の騎士団の官舎が見えた、なんとか敵と遭遇せずに騎士団へと辿り着けそうだ、2人もホッとしている…
「……止まってくれ」
安心したのも束の間、僕らの目的地から戦闘音が聞こえてくる
「……やっぱり襲撃されている、加勢したいけど僕らだけじゃ戦力不足だ…」
「お、お父さん…」
「アリサ、大丈夫…騎士団長は強い」
アリサの父、マテウス・イースレット騎士団長はこの国で最強と言われている人物だ、僕も何度か剣を教わった事があるからあの人の強さを知っている
「そうさ、アリサ…マテウスさんは誰にも負けない、君が一番知ってるだろ?」
「……うん、ごめん…ありがとう、2人とも……」
「それで、これからどうする?意識のない2人を運びながらじゃ、あそこへは近づかない」
キャサリンが戦場と化している騎士団を見てそう言う、確かに、2人を抱えてしまっては剣も振るえない、それでは格好の的だ、置いて行くのも論外だし…何か方法は……あれは!
「アリサ、キャサリン…あそこの…騎士団の官舎の裏手、見える?あそこだけ敵が少ない、敵も騎士団も正面に戦力を集中させているんだ、あそこなら、敵の背後から奇襲を掛けれる、騎士達と挟撃でなら僕とアリサで対処は可能だと思う、キャサリンの魔法の支援もあれば可能性は上がる…ウィル達は可能な限り近くに運ぼう、敵を排除してから騎士に頼んで中に入れてもらえればいい…どうだろう?」
「うん、それしかないと私は思うわ」
「私も意義ばない」
「よし、ならまずは2人を移動だ」
敵に見つからないように迂回して官舎の裏へと向かう、ギリギリ、見つからない距離を取りウィル達を寝かせる
「2人とも、覚悟はいい?あまり時間をかけると敵の増援か、ウィル達が見つかる可能性がある、速攻で行くよ」
「勿論、もう覚悟はできたわ」
「私も、ノルを守る為なら」
「よし、行こう!!」
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