第5話 襲撃


「!?な、何…今の…」


「……爆発音…これは、恐らく魔法によるもの…」


「そうだね…方角からして商業区と騎士団の方からだ」


「え!?お、お父さん…」


アリサの顔が青くなる…アリサの父はこの国の騎士団長だ…


「大丈夫だよ、おじさんがそう簡単にやられるもんか」


「う、うん……でも、一体何が…」


「動くな!!」


「っ!………誰ですか?貴方達は…」


突然、僕らを囲む様に現れた鎧を着た集団に問う


「黙れ!大人しく武器を捨てろ、無駄な抵抗は命を縮めるぞ!」


……相手は7人…全員が剣士…いや、魔剣士か……やらない相手じゃないけど、アリサ達を巻き込む…なんとか隙を…


「烈震!!」


「「「「!!!」」」」


「な、なに!?」


剣を地面に叩きつけて割る剣技を放ってウィルが飛び出して来た


「俺の仲間に何してやがる?テメェら!!」


連中が怯んだ!


「ナイス、ウィル!…キャサリン!ノル!」


僕はすぐさま動き、まずは正面の2人を無力化する、キャサリンとノルも僕の意図を理解して魔法を発動4人を拘束、残り3人!


「くっ!コイツら!」


「学生風情が!舐めるぐぁ!」


「あと、2人…!っ…アリサ!!」


「っ……このっ!……ぐっ…」


アリサの背後から敵が斬りかかる、なんとか防御するが力負けし膝を折った…くそ!


「アリサになにしてんるだ!!」


「ガハッ……」


敵を蹴り飛ばし、アリサに寄り添う


「アリサ!怪我は!?」


「だ、大丈夫……ありがと、レイ…」


どうやら無事な様だ…残りの1人もウィル達が抑えた…ふぅ、なんとかなったな…!?気配が…


「皆!気配が複数こちらに向かってる…取り敢えず身を隠そう!アリサ、手を」


全員、僕の提案に頷き移動を開始する、まだ放心しているアリサの手を握り、走り出しす


「一体、どうなってんだよ!」


「ウィル、落ち着く…叫んでも何も解決しない…とにかく今は隠れる…この場を乗り切ってから情報を集めよう」


「……すまねぇ…了解だ!」


「この先に倉庫がある、そこなら身を隠せる筈だ」


「レイ、もう大丈夫、走れるよ」


まだ大丈夫な表情には見えないが、アリサがそう言うので手を離す


「見えたぞ!倉庫……止まれ!ぐっ……うおあぁ!!」


「ウィル!!っ……!キャサリン!下がっガハッ!」


「……ノル!!」


ウィルとノルが宙を舞う…1人、さっきの奴らとは明らかに雰囲気が違う騎士がそこにいた…剣を掲げ、キャサリンを狙う…


「…っ……ふぅぅぅ……シッ!!!」


全速力でキャサリンの前へと飛び出して振り下ろされる大剣を受け止める


「っ……アリサ!!」


「……はっ!キャサリン!こっちへ、早く!」


「ほぅ…我が一撃を防ぐか……学生ながら見どころがありそうだな…」


突然、騎士が剣を引く…僕は飛び退き、距離を取る


「………アリサ、キャサリン、……ここは僕がなんとかする…2人を連れて騎士団へ行くんだ…恐らくそこも襲撃されているけど、騎士団と共にいる方がまだマシだ…」


「……で、でも…レイ…」


「っ…いけ!!」


そんな泣きそうな顔しないでよ…2人とも…

唇を噛み締め、ウィルとノルを担ぎながら走り出す2人を横目で見送りながら騎士と対峙する


「……意外ですね、行かせてくれるとは…」


「今、興味があるのは貴様だ…学生……名を聞こうか」


「……レイ・ハヤテ…」


「レイ・ハヤテ……ふむ、我が名はアイザック・ウォール…今日、貴様の様な剣士と出会えた事に感謝する…」


騎士が構える…感謝って……こんな事をしでかしておいて騎士道を歩もうとするとか…


「ふざけないでください」


「む?」


「こんな、無差別に街を襲撃しておいて、何を騎士道を語っているのですか?貴方の様なテロリストに騎士道を語る資格も歩む資格すらありはしない!!ここで、今…貴方を斬ります…」


「…………ふっ、やれるものならやってみるがいい、小童が…」


騎士が迫る…僕はすぐには動かずに騎士を間合いに入れる……入った!


「………は?」


一瞬……騎士が僕の間合いに入った瞬間に騎士の横をすり抜ける…すれ違いざまに一閃…首を飛ばす……驚きの声をあげ騎士は倒れ伏した


「外道に騎士を名乗る資格なし……」


僕は倒れた外道をそのままに、皆の後を追った

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