第3話 平和な日常


「うま〜!!これうまいな!」


僕達は今、ハンバーガー店で昼食を摂っている、どうやらウィルが気に入ったのか絶賛している…うまいしか言ってないけど…


「美味しい…ね、レイのも一口ちょうだい?」


アリサが首をこてんと傾けてそんなお願いをしてくる…可愛い…


「いいよ、はい」


「わー!ありがと!あーん、アム……うっ!……か、辛い!ひーひー……」


僕の激辛爆弾バーガーを食べたアリサは足をバタバタさせながら悶えている…可愛い一口だったがそんなに辛いかな?これ…


「わわ!大丈夫?アリサ、ほら、水…」


「んぐ、んぐ、んぐ…ぷはぁぁ……よ、よくこんなの食べてるねレイ…辛過ぎ…」


僕をジト目で見つめてくるアリサ…


「そんなにかなぁ…美味しいと思うんだけど…」


「レイの辛党は度を越してる…」


「そうだね…やり過ぎだと俺も思うよ…」


なんだかひどい言われ様だな…


「でも、キャサリン…君の甘党には負けるよ…」


彼女のテーブルを見ると上にホイップクリームのタワーにシロップがこれでもかと掛かっており…見てるだけで胸焼けしそうなパンケーキが置かれており、それを黙々と口に運ぶキャサリン…


「ふぅ……ほんとよねぇ…それは何処に消えて行くのかしら…羨ましいわ」


「私の胃袋はブラックホール…甘味なら無限に入る…」


「?アリサは何処も太ってないじゃないか」


アリサがそんな事を言うから素で言うとギュン!と聞こえてくる様な速度でこちらを向くと


「そ、そ、そんな!…こと…なくて………あ、あの……えっと……もう!レイのバカ!」


「えぇ、なんでぇ?」


急に怒ってどうしたんだろ?悩んでいるとキャサリンが


「デリカシーがない、レイは…使えない…」


「ねぇ、酷くない!?」


「バーガーもう一個、いや!2個買ってくる!」


「ウィル…自由すぎやしないかい?」


「なんだ?ノル、お前もいるか?」


「い、いや、俺はもう満腹…って!ウィル!?話聞いて…行っちゃった…」


「ん、ウィルはバカ…本能で動いてる」


そんなこんなで昼食を楽しんだ僕らは学園へと戻って来た


「ノルとキャサリンはこれから魔法講座?」


「違う、魔法の実技…私は講座の方が良かった…」


「あはは…授業なんだから仕方ないよ、それじゃあ、また放課後に」


またこの子は優秀なのに…まぁ、ノルが上手いことやってるから大丈夫か

2人と別れて修練場に向かう


「うん、また後で…じゃあ、僕らも行こうか」


「おう!……で、次は何の授業だ?」


「次は剣術の模擬戦よ、ウィル、いい加減に覚えなさいよ、毎週やってるでしょ…」


「そうか!模擬戦か!今日こそレイから一本取るからな!」


「話聞きなさいよ!…もう!……レイ、私とも模擬戦やりましょ、私だって一本とってやるんだから!」


2人から少し、闘気が漏れる…僕はつい…


「2人には悪いけど、剣では誰にも負けるつもりはないよ」


(っ……相変わらずすげぇ気迫だな…)


(うわぁ………はっ!いけない、見惚れてた…でも、普段、あんな優しい雰囲気なのに剣のことになるとカッコよくなりすぎだよ……)


少し熱くなってしまったけど…あれ?2人とも固まってる


「ん?どうしたの?2人とも…」


「いや、なんでもない…行こうぜ」


「あ、うん……アリサ?」


「ひゃ!ひゃい!な、なに!?」


「大丈夫?顔赤いけど、熱でもあるんじゃ」


僕は自分の額をアリサの額にくっつけて熱がないか確かめた


「っ〜〜〜、だ!!大丈夫だから!!!さ、先行くね!!」


顔を真っ赤にして駆けていくアリサ……


「急にどうしたんだろ…」


「トイレじゃね?」


彼らのやり取りを偶然見かけた生徒は2人の発言に対して「コイツらマジかよ…」と心の中で呟いた…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る