第2話 平和の中で…
始まりはザラ帝国がアグナ神王国の領土へと侵攻した事だった、世界でも最大の国家、最強の国家と言われる国々が戦争を始めてしまい世界は驚愕した
しかし、武力で攻める帝国に対して戦力で迎え撃つ神王国、戦況は拮抗した…そこで、両国はそれぞれが周辺諸国への援軍を要請、初めは戦火に巻き込まれる事を恐れ、拒否をしたもののなんと、帝国が援軍を拒否した小国をたった1週間で滅ぼした…それを受け、帝国を恐れた国は半ば強引に同盟を結び援軍を派遣、残虐な行いをした帝国を許さない国は王国と協力し援軍を派遣した
しかし、それでも戦況は拮抗を続けた…
ここで帝国は最悪の一手を打った…同盟国の吸収合併を始め,拒否する国は次々と攻め落とし属国とした…しかも、現皇帝の圧倒的なカリスマにより瞬く間に合併、占領した国を平定、完璧な統治をしいた事で異常と言える速度で国力の底上げを成し遂げた…
力で国力を増す帝国に対して徐々に追い込まれる神王国は帝国の侵攻を恐れる国々を纏め、神王国主導の元、連合軍を設立…最早、世界を二分するほどの規模となった両国軍は世界中で戦火を撒き散らし大量の戦死者を産んだ…
正に世界大戦と言える戦火が燃え続ける事10年…
中立を掲げる国々は帝国に滅ぼされるか、連合軍に加わるかの二択を迫られ数を減らして行く、だが独自の技術を持ち、中立を貫く国もある
ここはアスハ王国、数少ない中立国家である
何度か帝国の侵攻を受けたが防衛に成功し、中立を保っていた
街は平和で活気が溢れて戦火とは無縁と思わせるほど人々の顔は明るかった
「……ふっ!……はっ!」
王立学園の演習場で1人剣を振るう黒髪緋目の青年がいた…
彼の名は、レイ・ハヤテ…この学園に通う剣士だ
「おーい、レイ〜」
レイを呼ぶ声に顔を向け、返事をする
「どうした?エルスマン、何か用か?」
「おいおい、ウィルでいいって言ってるだろ?そろそろ飯に行こうぜ!他の連中も待ってるかよ」
彼は、ウィリアム・エルスマン…褐色の肌に金髪の青年、レイと同じ剣士だ
「わかった、着替えてすぐ行くよ、ありがとう、ウィル」
「おう!中庭で待ってるぞ」
ウィルは先に行ってしまった、すぐに着替えて後を追うと、ウィルの他に3人の生徒の姿があった
「お、来たな!遅いぞ!」
ウィルがこちらに気付き手を振ると他の者も気付く
「やっと来たの!遅いよ、レイ…私お腹ぺこぺこ〜」
両手でお腹を抑える彼女は、アリサ・イースレット…銀髪緋目の女性剣士、僕の幼馴染だ
「もう、ウィルもアリサも…大きい声出さないで…」
2人に苦言を言う黒髪黒目の彼女は、キャサリン・ノーマン…魔法師
「まぁまぁ、キャサリン…」
機嫌の悪いキャサリンを宥める青年は、ノル・リンブル…茶髪でメガネをかけている魔法師だ。、因みに、キャサリンとは婚約者という関係である
「ごめん、お待たせ」
「んじゃ、レイも来たし、飯に行こうぜ〜」
「ウィル、何処行くか決めなくていいの?」
「歩きながらでいいじゃん!」
「……ウィルは適当…」
「あはは…まぁ、いいんじゃない?」
彼らは平和な時間を過ごしていた…この日までは…
「…首尾は?」
「万全です」
薄暗い部屋の中…フードを被り顔を隠す人物が複数、集まっている
「既に配置は完了、合図があればすぐに始められます」
「よし、こちらも準備を急ぐぞ…本国からの情報だと今日の筈だ…気を抜くな」
「「「はっ…」」」
それを合図に人影は闇へと消えて行く…1人残った者が…
「必ず間に合わせる…奴等の思い通りになどさせるものか…命に変えても…」
そして、部屋には誰も居なくなった…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます