第9話 人面樹と冒険者達 前編
数日間フィーネと一緒に迷宮に潜り続けて、今日も迷宮の草原に向かうと、冒険者が待っている
「本当に…毎日ここまで来るなんて…本当に無理してないのか?」
冒険者がアーレルを見て苦笑いしている
「まだまだ1人で戦えないから、無理なんてさせれないぞ」
アーレルが笑顔で言うと、セリーナとフィーネが仲良く手を繋ぎ見ている
「何か有ったら…」
「中々良い奴だな! いつまでここに居るんだ?」
「明日まで異常が無ければ、終わりだが…」
冒険者が説明していると、仲間の冒険者達がフィーネとセリーナに座って休憩するように伝えて、休んでいる
「御父様、次に行きたい」
セリーナが笑顔で言うと、フィーネが頷いている
「やっぱり心配だから…」
「御父様、2人でここまでのモンスター倒せました!! 身は守るから、少しだけ」
セリーナがアーレルの顔を見て言う
「解った…少し倒したら帰るぞ…怪我はしないように気を付けよう」
「はい! フィーネちゃん楽しみだね」
セリーナがフィーネの顔を見て言う
「うん! お姉ちゃん」
フィーネがセリーナを見て笑顔で言うと、冒険者達が心配そうに見ている
(注意した方が良いのか? そう言えば…前にも奥に行っていたな…女の子は可愛い…)
奥の洞窟に入り進み、草原が見えてくると、草の背丈が低いエリアに向かい、リザードを見付け次第、アーレルが剣を突き立てて、動きを止めると、セリーナとフィーネが短剣を突き立てている
「2人なら大丈夫か? …身体強化、筋力強化」
アーレルが魔法を使い、セリーナとフィーネの身体が淡い光に包まれている
「御父様、魔法使ったの?」
セリーナが驚いている
「2人で1匹倒せるか見てみたい…危なかったら助ける…1人が引き付けて、もう1人が短剣を突き立てる様に、倒せなくても慌てず2人で倒して欲しい…やっぱりもう少し待つか?」
アーレルが迷っていると、セリーナとフィーネが顔を見合わせて笑っている
近付くリザードを見付けると、セリーナが短剣を構えて、リザードの動きが止まると、フィーネが横から接近する。リザードがフィーネに気付き、噛み付こうと飛び付こうとすると、セリーナが短剣で突き、リザードはフィーネの横を通りすぎて、黒い煙をあげている。フィーネが慌ててリザードの頭目掛けて短剣を突き立てて、セリーナも何回もリザードを突き刺して、リザードが黒い霧になって消える
「強い…」
セリーナが呟くと、別のリザードが接近している。アーレルが剣を振り抜き、3体のリザードを両断すると、1匹の胴体に剣を突き立てて、セリーナを見ると、セリーナとフィーネが短剣を突き立てて、黒い霧に変わって消える
「2人で戦うのはまだ無理だから、いつも通りトドメを討ち続けて欲しい」
アーレルが微笑みながらセリーナとフィーネを見て言うと、近付くリザードを容赦なく弾き飛ばして、1匹ずつセリーナとフィーネが短剣を必死に突き立てている
地響きがすると、セリーナがキョロキョロしながら周囲を見ている
「まずいな…少し遠目でも…セリーナ、フィーネ油断しないように戻るぞ」
アーレルが周囲見てから洞窟の方を見ている
「御父様…人面樹ですか?」
セリーナが不安そうにアーレルを見ている
「人面樹? 」
フィーネがセリーナを見て呟く
「フィーネ、セリーナから離れない様に…何が起きるか解らない…身体強化、筋力強化」
アーレルがフィーネを見ながらフィーネとセリーナに魔法を使うと、セリーナが頷きながらフィーネの手を繋ぐ
洞窟を抜けて草原に戻り歩いていくと、人面樹と冒険者達が戦っている
「あの数で倒せないのか? 弱すぎる…もっと鍛えてから依頼を受けた方が良いだろう」
アーレルが冒険者がツタに捕まり抜け出そうと、暴れているのを見て言う
「あ! 冒険者が弾き飛ばされた」
セリーナが呟き、地面に転がる冒険者を見て震えている
「後衛は冷静さを失わないように…少し離れた場所から守りを固めているように…身体強化、筋力強化、俊足」
アーレルが魔法を使いながら言うと、剣を抜き人面樹に近付き、人面樹のツタをかわしながら、接近して剣を振り、ツタを斬り黒い煙に変えている。地面からのツタを剣で斬り、人面樹の腕で叩き付けにくると、接近しながらかわして腕の根元付近を斬り裂き、すぐに地面付近を両断していき、周囲の蔓が黒い霧になって消えていく
人面樹は激しく腕を振りアーレルが接近出来ない様にしているが、ステップしながら接近して剣を振り抜き、人面樹が両断されると、黒い霧になって消えていき、結晶が残っている
「セリーナ、フィーネ怪我は無いか?」
アーレルが結晶を拾い、セリーナ達の方に戻ってくる。冒険者達が信じられない物を見ている様にアーレルを見ている
「はい! 御父様」
セリーナが満面の笑顔で言うと、フィーネも笑顔でアーレルを見ている
(お父さん強いーーーー凄く強い!!)
「じゃあ、面倒になる前に帰ろう」
アーレルが笑顔で言う
「ちょっと待ってくれ!! 冒険者仲間を見捨てるのか?」
冒険者が慌てた様に叫ぶ
「あ! ごめん、横取りだったかな?」
アーレルが冒険者達を見て言うと、冒険者達が顔を見合わせている
「助かった!! 迷宮の外まで同行して欲しい」
冒険者が周囲を見て言うと、冒険者達が倒れた仲間にポーションを飲ませている
「早く準備をしてくれ、こっちも疲れているから、早く帰りたいだが」
アーレルが冒険者達を見て言うと、冒険者達が集まってくると、全員負傷している
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