第8話 フィーネと魔力制御

翌朝、部屋を出ると、フィーネとセリーナが並んで待っている

「御父様、おはようございます」

セリーナが満面の笑顔で言うと、フィーネが恥ずかしそうに言う

「セリーナ、フィーネおはよう、朝食を食べたら、迷宮に向かうぞ…フィーネは、無理せず指示を守るように」

「はい…御父様」

フィーネが緊張しながら言うと、セリーナが笑顔でフィーネを見ている


迷宮に向かうと、アーレルがモンスターの身動きを取れない様にしてから、フィーネにナイフで切付けたり、セリーナが説明して体重を乗せて突き刺そうとして、中々ナイフが刺さらない間に何度も必死にナイフを突き立てて、モンスターは黒い霧なって消える

「うまく出来なくてごめんなさい」

フィーネが泣きそうになってうつ向いている

(怒られる!! 殴られる…うっ…)

「仕方無い…身体強化、筋力強化」

アーレルが魔法を使うと、フィーネの身体に淡い光が輝いて、フィーネが驚きながらキョロキョロしている

「効果は長くないが、これでもっと早く倒せるだろう…今日は何回でも使うからね」

アーレルが微笑みながら言う

「あ! 御父様、魔法を使った!! 」

セリーナが驚いて叫び、フィーネを見ている

「早くレベルを上げたいから…自信を持つのも必要だろう? 思ったよりも力が無いから仕方無い」

アーレルが微笑みながらセリーナを見ている。


遭遇した蛇の頭を踏みつけて、フィーネが力一杯ナイフで突き刺すと、黒い霧になって消えていく

「え! 簡単に突き刺せた…何故?」

フィーネが驚いている

「これが魔法だ! フィーネもその内使えるようになるから、頑張るように」

アーレルが微笑みながらフィーネを見ていると、フィーネが驚きながらアーレルを見ている

(魔法? 魔法って…私が使えるようになるのですか? 怒らないし…お父さん…)


その後もモンスターを倒しながら進み、草原が見えてくる。警戒しながら草原に入り歩いていき、冒険者がアーレルを見付けて近付いてくる

「1人増えているのか? 危ないだろ」

冒険者が慌ててフィーネを見ている

「ドロップアイテムが欲しかったが…モンスターが居ないか」

アーレルが周囲を見ていると、冒険者達がフィーネを見ている

「こっちも依頼だ!文句言うのか? それよりも子供だ!!」

冒険者がアーレルに近付いてくる

「仕方無い…先に進むか…今日は止めておくか…」

アーレルがセリーナを見てから、フィーネを見て言う

「子供をここまで連れてくるな!! ここは危険だぞ!! 解っているのか!!」

冒険者が怒鳴る

「心配ない、余裕が有るから、 じゃあまたな」

アーレルは迷宮出口に向かって歩き始め、遭遇するモンスターを倒して進む


迷宮を出て、宿屋に戻る

「フィーネ、疲れたか?」

アーレルがフィーネを見ながら聞く

「え! 御父様大丈夫です」

フィーネが驚きながらアーレルを見ている

「フィーネ、無理はしないように…夜ご飯の後、少し話が有るから、それまでセリーナと一緒にゆっくりしてなさい」

アーレルが微笑みながらフィーネ見ている

「御父様!! フィーネばかりズルい」

セリーナがアーレルを睨んでいる

「セリーナは、今日は余裕だっただろ? フィーネを見ながら、周囲の警戒も出来て良かったよ」

アーレルが微笑みながらセリーナを見ていると、セリーナが少し驚いている

(え! 警戒…してなかった事バレたら…どうしよう?)


夜ご飯が終わると、アーレルがセリーナとフィーネの部屋に入る

「フィーネ、魔力操作の練習を少しずつやって欲しい」

アーレルがフィーネに言うと、セリーナが驚いている

「御父様、フィーネに先に教えるのですか!!」

セリーナが驚いている

「ん? セリーナ教えてなかったか? ミーナの時に一緒にやらなかったか?」

「え! 教えて貰ってません」

「え! セリーナならすぐに出来るが…2人で一緒に学んで貰わないと」

アーレルが考えながら言うと、魔力について説明を始め、セリーナとフィーネが魔力を感じようとしている


フィーネが不安に泣きそうになっている

「フィーネ焦らなくて良い、魔力はこんな感じだ」

アーレルが手に魔力を集めると手に淡い光が集まっている。フィーネが驚いたように見ている

「触って感じてみなさい」

アーレルが手を差し出すと、セリーナとフィーネが魔力を観察している

「この温かいのが…」

セリーナが呟きながら触っている

「目を瞑り、魔力を感じとれる様に…魔力を感じられるか?」

アーレルがセリーナとフィーネを見ながら言うと、2人が目を瞑り、魔力を感じ取ろうとしている


「こんな感じで良いのですか?」

セリーナが手に魔力の淡い光が少し出ている

「魔力を手に集めるだけでなく、手に集めた魔力を反対の手に集め直したり、身体の中心に集めたり、動かしてみよう」

アーレルが微笑みながらセリーナを見ていると、一生懸命魔力を動かしている。フィーネが慌てている

「フィーネ無理しないで良いからね、まだ初日だからね…セリーナは、10年目だからフィーネも10年後には簡単に出来ているよ」

アーレルがフィーネを見ていると、驚いている

「怒らないのですか?…デキぞこないと…」

「何故怒る? フィーネも娘になったのだから、もう家族だ」

「御父様…うっ………」

フィーネが涙を流し始めると、徐々に声を出して泣いている。セリーナがフィーネを驚いて見ている

(え! 何故泣いたの? どうしたら? 御父様泣かせるような事をしたの? してないけど…どうしよう?)

「落ち着いたら、少しずつ頑張ろうね…セリーナ、お姉ちゃんとして、悩みはしっかり聞いてあげるように」

アーレルが微笑みながらフィーネを見詰めている


え!何故こんなに泣いている? どうしてだ? えーと、どうするか? この場合なんて言えば正解か? セリーナに丸投げにして、様子をみるしかない…セリーナ後は任せた


「はい、御父様」

セリーナがフィーネを見詰めている。フィーネが泣き止むのを待っている

「御父様、泣いてごめんなさい…頑張ります」

フィーネが泣き止み、魔力を必死に感じとろうしている。アーレルは、フィーネを観察している

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