第4話 ミゼント村へ

1ヶ月薬草採取等をしながら過ごして、冒険者ギルドに向かうと、冒険者達が慌てて壁際に集まって見ている

「アーレルさん、セリーナさんもEランクにランクアップしましたが、今日も薬草採取するのですか?」

職員が微笑みながら聞く

「迷宮の噂を聞きたいが」

「迷宮ですか? 低レベルの迷宮なら…ウルソンの町ですが…」

「ウルソンには、キリーア達が向かっただろ?」

「そうですね…良い迷宮には、全部子供達が向かってますね…悪条件の迷宮なら、ミゼント村の迷宮が出来ています。 ドロップアイテムが良くないので、初心者には向きませんが…」

職員が説明をしている


「そのままだと、価値が低いアイテムばかりだな…ポーションにすれば、多少価値が有るが…薬師が必要だな」

「その通りです。 1度奥の方まで行った冒険者の話だと、ドロップアイテムが無いモンスターばかりで、赤字になるから、2度と潜らないと言ってます」

「人が少ない方が良いな…セリーナ、迷宮に挑戦するぞ」

「え! 収入が少ないと、後が怖いです」

セリーナが驚いている

「邪魔する冒険者は少ない方が、安心できる」

アーレルが笑顔で言うと、セリーナが考え込んでいる


翌日、アーレルとセリーナは、ミゼント村に向けて出発する。途中商人の馬車に相乗りさせて貰いながら、順調にミゼント村に到着する

「御父様、寂しい町です」

セリーナが馬車を降りると、見渡している

「元々農村だからな…迷宮で潤うなら、発展はするが…冒険者が集まらなければ、発展はしない」

アーレルが考えながら言うと、宿屋の部屋を確保してから、冒険者ギルドに向かう


「冒険者ですか?」

職員がアーレルとセリーナを見て怪しんでいる

「迷宮に潜りたいが、注意事項を教えて欲しい」

「ギルドカードを」

職員が怪しむように言うと、アーレルとセリーナがギルドカードを見せてから、職員が注意事項を伝えている


翌日、アーレルとセリーナが迷宮に向かい、ギルドカードを見せてから、迷宮の門をくぐる

「え! 洞窟? 薄暗い?」

セリーナが驚いている

「迷宮は、広いからな…迷宮内は上から光が有る場合も多い…中に森もかも有るが、最初は弱いモンスターが多いが奥に向かうと、強くなる」

アーレルが歩きながら説明している。進む先に赤い目が見えると、蛇が数匹現れると、アーレルが接近して2匹を斬り捨て、1匹の頭を足で踏みつけていると、セリーナがナイフを抜き、蛇を刺している。しばらくすると黒い霧になって消える


「アイテム無しか…取り敢えず倒して進もう」

アーレルが周囲を警戒しながら進み、モンスターをセリーナにトドメを討たせて進む

「御父様、草むらに」

セリーナが洞窟を抜けて、草むらを見渡している

「あのモルーか…ドロップアイテムが有るな」

アーレルが転がる毛玉の様なモンスターを見て呟くと、近付き剣を振り、毛玉が真っ二つに斬れて、黒い霧になって消えると、緑色の葉っぱが残っている

「これは?」

「ポーションを作る為の薬草になるから、集めよう…セリーナ、決して無理はしないように、モルーの蔓は麻痺や毒を持っている時が有る」

「麻痺や毒!! どうしたら?」

「ヒーラが居れば問題ない」

アーレルが笑いながら言う

「御父様が居たら…ポーション要らず?」

「赤字になるのは、回復にポーションを使うからな…ヒーラなら回復にポーション要らないから、良い狩り場だ」

アーレルが笑っている

「回復役が居たら、問題の無い迷宮ですか?」

セリーナが考えている

「回復魔法を教えるのも必要だけど、レベル上げを優先する」

アーレルが笑顔で言うと、モルーを見付次第両断している


迷宮を出て宿屋に帰り、食事後部屋に戻ると、暫くしてセリーナが部屋にやってくる

「御父様、聞きたいことが」

セリーナが考えながらアーレルを見ている

「何を?」

「レベル上げとは何ですか?」

セリーナが考えながら聞く

「王都の魔導具で調べられるが、それぞれ職業とレベルが有る…魔法やスキルもレベルが上がると得られるが、レベルが上がらないと基礎能力が上がらない」

「基礎能力? どうしたら良いのですか? どうして解るのですか?」

「鑑定を覚えると、鑑定である程度解る…セリーナ、職業次第で今後が変わるが…王都で調べたいか?」

アーレルが考えながら聞く

「御父様は、本当にヒーラなのですか?」

「ヒーラだ…若い時迷宮にも沢山潜り、レベルが高いから、並みの事は出来るが…」

アーレルが少し説明している

「御父様は鑑定が出来るのですか?」

セリーナがアーレルの顔を見ている

「内緒に出来るか? 全員鑑定して養子したから…得意を伸ばして、育てたからな」

「御父様が鑑定したなら、私は何が得意なのですか?」

「回復魔法から浄化まで使える様になる…職業は知ると大変な事になる」

「回復魔法!! 御父様の様になれますか? 職業は知りたいですが、御父様が導くなら間違いないのですよね?」

セリーナが笑顔で聞く

「能力は経験次第だ…10年前道端で捨てられて、踞っていたセリーナを鑑定して育てたから…兄弟達も伝説級の職業持ちもいるよ…キリーアは、剣聖だからレベルが上がったら相当な実力者になるけど、奢れば死にそうだが…」

「だから、奢るなと言い聞かせていたのですね! 御父様が怒ると怖いですから、聞かないですけど、回復魔法は教えて下さい」

セリーナが笑顔で言う

「レベルが上がったら、教えるよ…前衛が1人欲しいな…」

アーレルが考え込んでいる

「御父様と2人でも構わないです」

セリーナが慌てて言う

(御父様と一緒が良いです!! 邪魔はされたくない!! 綺麗な女性は近付けたくないです)

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