第3話 セリーナと冒険者生活開始
町に到着すると、アーレルは、荷馬車を宿屋に預けて、冒険者ギルドに向かう
「アーレルさん何か用ですか? キリーアさん達なら別の町に向かいました」
職員が微笑みながら言う
「娘の冒険者登録と手紙を預けたい」
アーレルが手紙の束を出して置くと、職員が誰宛か見ている
「全員に? 何か有りましたか?」
「村を追い出されたから、セリーナと旅をしながら冒険者をする事にした」
アーレルが事情を説明すると、職員はセリーナの冒険者登録を始めて、アーレルを奥の部屋に案内してくれる
応接室で待っていると、ギルドマスターが入ってくる
「アーレル、事情は聞いた…愚かだな…アーレルを追い出したなら、その内依頼が舞い込むか? 冒険者をするなら、元の名を使うのか?」
「いや、このままで良い、有名になるのはコリゴリだ」
「解った、追い出されたなら、契約満了だな…長いクエスト御苦労だった…Dランクにランクアップだ」
ギルドマスターが笑顔で言う
「は? ランクアップ? クエスト?」
アーレルが苦笑いしている
「忘れたのか? 10年前のクエストだ! 10年間でどれだけの魔物の買い取りをしたと思っている? 十分な実力が有るのだから、そのぐらいはさせてくれ!」
「10年前のクエスト?」
「村の警備だ! 受けた後、そのまま更新して今日まで居たのだろう? 報酬は微々たる事だが、村長から聞いている」
ギルドマスターが笑顔で説明をしている。職員にギルドカードを作り直しを伝えて、新しいギルドカードを受け取る
受付に戻ると、セリーナが職員と待っている
「御父様、話しは終わりましたか?」
セリーナが笑顔で言うと、職員も微笑みながら見ている
「セリーナは終わったのか?」
「はい、どうしますか?」
「最初のクエストを受けた方が良いだろう」
アーレルが微笑みながら言うと、セリーナが掲示板に向かい、クエストを探している
「御父様、薬草採取で良いです」
セリーナが微笑みながら言うと、依頼書を職員に渡して、ギルドカードを見せている
「アーレルさんも」
職員が微笑みながら言うと、アーレルもギルドカードを見せている
「え! Dランク? 薬草採取は、受けれないですが、買い取りは出来ますが…セリーナさんだけで依頼を受ける形になります」
職員が驚きながら言う
「セリーナの経験の為だから頼む」
アーレルが笑顔で言うと、職員がセリーナに依頼の内容を伝えている
町の外の森に向かい、セリーナが薬草を探して採取していると、アーレルが周囲を警戒している
「御父様、このぐらいで大丈夫ですか?」
セリーナが袋を見せている
「種類に別けて持って帰ろう、職員もその方が早く鑑定も出来る」
アーレルが袋の中身を鑑定して言うと、セリーナが袋から薬草の種類毎に別けている
冒険者ギルドに戻ると、冒険者がニヤニヤしてアーレルとセリーナを見ている
「子供連れの冒険者か? お嬢ちゃん可愛がって欲しいか? ワッハッハッハ」
冒険者が笑いながらセリーナを見ていると、セリーナがアーレルの後ろに隠れる
アーレルが鑑定を使い男達を見てため息をする
レベルが低い…威張る実力も無いのに威張るのか? 職員も見ているだけか?
「おい!!おっさん黙ってないでなんか言え!!」
冒険者が囲む様にしてから怒鳴る
「邪魔だな」
「邪魔だと!! 痛い目見たいのか!! 子連れのおっさんごときが!! 新人は新人らしく先輩に頭を下げていろ!!」
「新人で無いが、馬鹿と能無しほど煩い、1人で何も出来ない人ほど、群れるからな」
アーレルが睨みながら言う
「どうなるか、思い知らしてやる!!」
冒険者がアーレルの顔面を殴る
「これで正当防衛かな? 殴られたから、殴り返しても文句言うなよ」
アーレルが笑みを浮かべて言うと、冒険者が殴り掛かろうとするが、アーレルが腹目掛けて殴り、男が踞りながら白目を剥いている
「え! 嘘…」
周囲の冒険者が驚いて冒険者を見ている
「正当防衛だけど、文句は?」
アーレルが笑顔で言うと、職員が苦笑いして歩いてくる
「冒険者ギルド内でイザゴザは、御法度です。ギルド資格停止しますよ」
職員が苦笑いして言う
「絡まれているのを見ていたのに? 教育したいなら、先に止めて欲しかったかな?」
アーレルが苦笑いして言う
「アーレルさんが強いのは知ってましたから、この頃調子に乗っている、この人達には良い薬です」
職員が苦笑いして言う
「セリーナの依頼の確認を頼む」
アーレルが笑顔で言うと、セリーナが袋を持ってカウンターに向かい、袋から薬草を出して鑑定して貰っている
「娘も見てないから、そろそろ片付けるかな?」
アーレルが冒険者達を睨んでいる
「へ? 片付ける? ちょちょちょちょちょっと!! 出来心だから!! 許してくれ」
冒険者が後退りしている
「出来心で殴るのか? 弱虫ほど大声をあげるからな…職員さん喧嘩の続きは良いかな?」
「教育してください、先輩が教育したいなら、ビレットさん達のお父さんがどれぐらい怖いか教えてあげて下さい」
職員が苦笑いして言う
「え! ビレット様達のお父さん!! レッドウルフを素手で殴り倒して、クロコダイルを片手で投げ飛ばした…あの!! お父さん!! ごごごごごごごっごめんなさい!! どうかお許し下さい!! 殺されます!!」
冒険者達が慌てて土下座をしている
「は? ビレットが何か言っていたのか?」
アーレルが苦笑いして職員を見ている
「依頼を沢山片付けてくれました。今も王都の迷宮で活躍しています。 他の人もみんなここにいた時に、色々噂をしてましたから、片田舎の戦神お父さんだと…一度も勝てなかったとか、怒って岩山を砕いたとか…この間もミーナさんを取り囲んで、逆にミーナさん1人でボコボコして、懺悔を3ヶ月させてましたから…」
「へぇーー ミーナを取り囲んだ? じゃあ教育が必要だな!! 娘に手を出したなら、許す訳にいかないな!!」
アーレルが冒険者達を睨んでいると、冒険者が尻餅をついて震えている
「御父様、帰りましょう」
セリーナが戻ってくる
「もう終わったのか? 疲れたから帰ろうか? 明日からビシバシ性根を鍛えてやろう! 気絶している奴にも言っておけ」
アーレルが笑顔で言うと、職員が爆笑している
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