第3話

「ただいまー」


家に帰ってきたら、いつものように弟のリクがテレビを見ていた。机の上にはポテチがあった。

私は黙ってポテチに手を伸ばした。

リクは、こっちを見て、すぐにテレビに目をやった。


中2になってリクとはあまりしゃべらなくなった。


私がポテチを食べていると、リクが手を伸ばして、ポテチを取った。

「あー、やめてよ!触らないで!」

と私は怒った。

リクが気持ち悪くて仕方がない。

リクは「はー?」というと困ったように笑った。

私は吐き捨てるように「あーあ、リクが触ったせいで食べれないじゃん。」と言った。

リクはむすっとした顔で「もういらない」といった。

リビングは静まり返っている。


1年前のほうが今よりもずっと仲が良かった。2年前はもっと。

リクは前から変わっていない。相変わらず、何も考えずにゴロゴロしている。

変わったのは私のほうだ。


リクが男だからだろうか。

本当は学校であったことを話したり愚痴ったりしたい。前みたいに話したいのに。

そう思えば思うほど、真逆の態度をしてしまう。


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