社畜、河川敷でフェンリルを拾う〜街中だと目立つので、ダンジョンの中を散歩することにしたら迷惑系配信者が解き放ったSSSSモンスターを瞬殺して大バズりしちゃいました。ちなみにスパチャは全て餌代になります
第17話:社畜、視聴者とフェンリルとともにもらったスパチャで買うものを決める
第17話:社畜、視聴者とフェンリルとともにもらったスパチャで買うものを決める
「うーん、これとかどうフィル?」
「わわん」
「いやか。ならこれは」
「わー……わん」
「ダメか。視聴者の皆さん、何かフィルにオススメのご飯ありますかね」
大量のスパチャが流れを止めない中、今日の配信内容は「もらったスパチャで何を買うか」を決めることにした。せっかくもらったんだ、使う用途は早めに開示した方が視聴者さんたちも安心できるだろう。
しかしこれがなかなか決まらない。フィルにあげるモンスターフード(モンスター版ペットフード)をアマ●ンやら●天やらで色々探し回っているのだが、フィルのお眼鏡に叶うものは見つからない。
うーん、やっぱビーフジャーキーをむっちゃ買い占めるのが無難なのかな。いやでもそれだとフィルの健康面的にもあまりよろしくない気がするし……ああ、迷う。
———
「¥50,000 フィルちゃんいつも可愛く拝見させてもらってます。これからも頑張ってください!」
「¥50,000 先に社畜の飲み物を決めたらええんじゃね?」
「フィルなかなか美食家で草」
「そりゃいっぱい食べるんだから美味しいもの食べたいに決まってるよな!」
「ネット通販だと物足りないかも。モンスターフード専門店で探してみたら?」
「モンスターフードってちょっとお高め……いや、俺らなら払えるか」
「¥50,000 モンスターフード専門店に行け、社畜」
「あ、そういえば社畜とフィルが助けた「阿澄レナ」がモンスターフードの店始めたな」
「そこで買うんだ社畜! 多分助けたお礼で金額割引してもらえるぞ!!!」
———
阿澄レナ……ああ! フィルが迷惑系に大活躍して助けた人か。あの人モンスターフードのお店やっているのか……せっかくだしそこに行ってみるのもありか。写真とかあるのかな……お、あった。
「フィル、これはどう?」
「わん!? ワンワンワンワンワンワンワンワアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!」
おお、フィルが今までにない興奮状態でスマホの画面を見始めた! 確かにここ美味しそうだよな、高級フレンチ料理みたいな盛り付けが整ったフードもあれば、二郎系みたいなとんでもない量の肉がお皿に無理やり載せてあったり。
うっ、金額は確かに高めだ。でも視聴者さんたちからいただいたスパチャを使わせていただいたら払える。よし、来週に土曜この店にフィルと一緒に……は無理か。都会だし連れ歩けない。1人で買いに行くか。
「よしフィル、この店でお前の餌を買おう! 来週まで待っててくれるか?」
「ワン!」
「仕方ねえな待ってやる。その代わりたくさん食わせろよ?」と言わんばかりにフィルはキラキラと目を輝かせながら頷いてくれた。よし、フィルの飯代は決まりだ。
「決まり! さて、次は……」
———
「社畜の酒を決めよう」
「俺たちが最高のお酒を進めてやる」
「社畜さんのお酒私たちが買います!」
「フィルのおもちゃとかもみてみたらいいんじゃね?」
「フィルの美容室とかも確認しとけ。多分そのうち羊みたいになるぞ」
「¥50,000 フィルちゃん愛してる」
「¥50,000 社畜、頑張れ」
「スパチャほぼ50,000で草」
「おい社畜、最高のハイボールがあるぞ! http:〜」
———
「最高のハイボールだと……おお、これはなんて美味そうなハイボールだ。買おう」
「ワンワン」
「ん、フィルどうした?」
「ワンワンワン」
なんだかずっと一緒に過ごしているからかわからないが、割とフィルが何を伝えたいのかがよくわかるようになってきた。ちなみに今は、「一本だけじゃなくてもっと買ったらどうだ?」って言ってる気がした。
いや、俺が飲みたいからそう都合よく認識しているだけかもしれないけど。ただフィルのやつ、ペチペチと画面を触って俺の代わりにハイボール買おうとしてるから、多分間違いではないはず。
……ん!?
「おいフィル!? ほ、本数がとんでもないことになってるぞ!? 2、20,000本注文しちゃってる!?」
「ワン」
「それぐらいお前なら飲めるだろ」と舌を出しながら平然とした顔がそう訴えかける。いや、確かに飲みきる自信は大いにあるけどさ。流石に置き場がねーわ!!!
———
「フィルが社畜をねぎらってて草」
「安心して買えフィル。お金なら俺らがだす!」
「¥50,000 酒代」
「主人思いのやつだなフィル……かわいい」
「うっかり20,000本買おうとしちゃうフィルちゃん可愛い!!!」
「そのまま買っちまえ!!!」
「買ったらフィルにもとんでもない量のご飯あげないといけなくなってやばそうwww」
「本当にいいコンビだなお前らwwwwww」
———
「か、買いませんから! キャンセルっと……ふう、ぎりできた。こら、フィル。下手にいじるんじゃない」
「きゅーん……」
「うっ……」
そ、そう泣きそうな目で俺を見られると罪悪感がくるな……。いや待て、フィルが悪いことをしたんだから俺何にも問題ないだろ! 危ない……危うくフィルにしてやられるところだったな。
「ダメなものはダメだからな。よし、ハイボールは……100ぐらい買っとくか」
「わん」
———
「結局そこそこ多くて草」
「やっぱこのペットにしてこの飼い主や」
「お前ら最高」
「また晩酌配信楽しみです!!!」
「こりゃまだまだ楽しみがありまくってて退屈しねーな!」
「スパチャの代わりに酒と餌送れる機能追加しろ運営! 馬鹿みたいに送ってやる!」
———
=====================
【大事なお願い】
最近ランキングが頭打ちになってモチベ下がり気味なので、よろしければ星(レビュー)やフォローをよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます