7
彼女は、小さくなった本を回収し、再びバッグの中へ仕舞う。
何故かムカデを潰したあとの体液などはついていなかった。
「はあ、気持ち悪かった…」
彼女は、wonderlandを解除した。
…それが彼女にとって命の危機に繋がるとも知らずに。
「さて、残りのムカデに気付かれないように…」
と言いかけて、彼女は気付いたのだ。
「ん、あれ、なんか減ってない…?」
刹那、腰を思い切り挟まれるような感触!
「きゃあぁぁ〜っ!?」
叫びもむなしく、アリスの身体は近くの茂みへと引き摺られる。
「Wonderland,失速…!!」
私は再び唱える。が、動きを遅くした所で無駄。
さらには本も取り出せない。
ムカデの大顎にガッシリ挟まれ、私は身動き取れないだけでなく、
身体がギシギシ締め上げられていて、それどころではない。苦しい…!
さらには何時の間にか、残りのムカデもやって来た。
生きた獲物の方が魅力的なの…?ああ、気持ち悪い!
なんとか動かせる足で、二匹のムカデを牽制する。
が、そんな程度じゃ焼け石に水なことぐらい、私が一番よく知っていて…
「あ、あ…やめて…来ないで!」
ついにムカデは私の脚を、その鋭利な顎で捕まえた。
先端が皮膚に突き刺さり、経験したことが無い程の激痛が走る。
「い"っ…!!」
ああ…私はもう、私は…もう…
あれ、誰か…走ってくる…?
「───死ねえええええっ!!」
グシャリ。
そこで私の意識は、ぷつり落ちた。
魔女、鉄槌、少女 みやや @Mona_miyaya
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