第5話 告げられた事実
「お嬢様は聖女です。」
神官長と呼ばれていた女性は真剣な顔でそう言った。
「へ?」
(なにかの変な宗教の信仰か?
聖女なんてこの世界に存在するのか?
この人は何を言っているのだろう…。)
全く理解が出来なかった。
「お嬢様は聖女の力にお目覚めになりました。そして先日、神殿へ入る儀式の際に倒れられたまま一週間ずっと眠っておられたのですよ。」
女性は続ける。
「儀式の際に聖なる力が強すぎたため、記憶を失ったのだと思われます。」
(え、私、川に落ちただけじゃ?記憶もあるのにどういうことだよぉ…!)
全く理解できない私に女性は慣れた口調で淡々と説明していく。
「お嬢様は儀式を終え、正式に神殿の聖女となりました。私のことは神官長様とお呼びください。」
(お嬢様…?聖女?神殿?
ここは美琴だった現世じゃないの??
もしかして転生ってやつ?!)
私は理解こそできないものの、ここは川に落ちた場所とは別世界だということ、自分はこの場で"美琴という人間でない誰か"に成り代わってることに気づいた。
(私は誰なのだろう?
よくわかんないけど、
まずはこの身体の主についての情報を集めなきゃ。)
「私に家族などはいましたか?」
恐る恐る聞いてみる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます