第4話 目覚め

(ん…?息ができる...?)


身体が重い。頭が痛い。



『お嬢様…!』


『お嬢様…!!』


(女の子の声?誰かを呼んでる?)


『お嬢様…!目をお覚ましください...!』


(泣いている?)


私は重い瞼を開く。

(う…眩しい…、、)

白い空間が視界に広がった。

しばらくしてからやっと辺りの状況がみえるようになった。


私がいるのは白いシーツに包まれたベットの上。周りは白い壁に囲まれており、窓辺に花こそ飾ってあるものの、かなり殺風景な空間だ。

察するにここはどうやら病院らしい。


目の前には17、8歳くらいの茶髪の少女がいた。

赤く泣き腫らした目を飛び出そうなくらいにまん丸に見開いて私をみている。


「お嬢様!気が付きました?!」

しばし間を置いて、少女は私の手を握り、食い入るように見つめて興奮気味に言った。


どうしてだろう、聞いた事のない言語なのに何故か理解できる。


黙っていると扉の向こうから修道女のような白い服を着た女の人が部屋に入ってきた。


「神官長様!お嬢様が…!」

先程の少女が声をあげる。


女性は女神のように穏やかで美しい容姿であったが、刻まれた皺から察するに相当な苦労人とみえる。

どうやら神官長と呼ばれているらしい。


神官長はじっと黙って私の顔を見つめる。



「失礼ですが…どなたですか…?」

私は続く沈黙に耐えられずに声をあげた。


神官長と少女は驚き顔を合わせ、お互いの顔を交互に見る。


「一体ここはどこですか?」

私はそう続ける。


神官長は動揺して目を泳がせた後、

「レイラ、お嬢様と2人で話したいから外にでてて。」

と言って、少女と席を変わった。


レイラと呼ばれた茶髪の少女はどこかへ行ってしまった。








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