第37話

平安時代の建物は美しいと評判だからワクワクする。朱色に塗られた柱など見所はたくさんある。それに色々な色が使われているのが特徴だ。黄金の部分もあるし、まさしくお金を持っている貴族って感じだろう。地方の領主にはこういった邸宅を持っている人も多いらしいが。昔からの貴族はな。そんなことを考えていると、邸宅に着いた。


「おお、すごい豪華だ。それに色使いがうまい」


「美しいですわ。将来こいうところに住みたいですの」


貴族として美しい邸宅に住んでいたルナが言うならまいか間違いないだろう。頑張ってこういった邸宅を買えるくらい稼ぐか。独立魔法師になれば稼げるだろう。それだけ古式魔法師は重要視されてるからな。


「そうか、俺がたくさん稼いで買えるようにするぞ」


俺もこの邸宅には憧れがあるからな。別荘としてはちょうどいいだろう。まぁ武家屋敷みたいな今の家の方が落ち着くが。だけど日本の貴族のような生活にも憧れがある。束帯を着て、邸宅内を歩いて、貴族のような感覚を味わうのといいだろう。


「それじゃ一緒に稼いで共同で買いますの。私も住むんですからそれくらいはしますわ」


それはありがたい。いくら稼ぎがいいって言ってもどのくらいで買えるのかは分からないからな。二人で独立魔法師になればすぐに買えるだろう。ルナの才能なら成れる。


「そうか、それなら二人で頑張るか」


新たな目標ができたな。これが美しき兄妹愛だ。でもどっちかが結婚したら手放さなきゃいけないが、蘇んときは俺が手放そう。元々別荘として考えていたし。ルナの方が上品で寝殿造りの邸宅はルナの方がふさわしい。これで十二単を着たら完全に日本の貴族だ。


「一緒にあの邸宅を暮らせるのは楽しみですわ。でも使用人を大量に雇わなきゃいけないですわね」


「まあその辺は家の使用人を何人か連れてくるから大丈夫だろう」


イエナは使用人が何人もいる。でかい武家屋敷だからな。大名並みの。それに何人かは余分に雇ってるから問題ないだろう。つっても普段はどこかの武家屋敷を買うが。まぁそんな大きくない屋敷だが。二人で住むのに家並みの物を買ったら大変だからな。使用人を大人数雇うわけにはいかないし。


「お兄様の家って何で貴族にならないんですの?あの規模の勢力を持っているなら貴族になら内かという打診はきてるのではないんですの?それにご先祖様はあの魔王を追い詰めた家なら尚更」


「政治に関わったり駆け引きが面倒だから随分前から断っているんだよ」


政治だと婚約だったり断れないことも多いしな。パーティーも腹の探り合いだったり、派閥に属さなきゃいけないし、面倒しかない。貴族は公爵家が王室の次に偉くペコペコしなきゃいけないしな。それにルナをとられる可能性もあるし。それだけは防ぎたいからな。ルナには好きな人としか結婚は認めない。


「まぁそ言う面はありますわね。婚約はソレイユ様としてたのでなかったですの」


「まぁ色々あるから貴族にはならないってことだな。俺もできれば楽したいし。跡取り候補として」


「跡取り候補ならお兄様は政略結婚するんですの?」


ルナは目を伏せて言った。まぁ兄が良く分からない女の人にとられるのは嫌だよな。俺もルナが良く分からない奴と婚約するのは嫌だし。


「大丈夫だ。俺の親父は好きな人としか婚約させないと言ってるしな。現に何人も断ってきたし」


俺は古式魔法も魔法も才能があると国内ではそれなり有名だから中央の貴族から婚約の話がきたりする。これが貴族だと断りづらいが、あくまで俺は陰陽師の家系で富豪の一般人の家系だから断れるのだ。


断っても干されるんわけではなくて、経済界では権力を持っているから貴族も潰すことかできないでいる。それだけ輸出に関してはかなりしている。財力も地元だけてはなくこのクニエスタにも土地も持っている。別邸もあるく知らない人とらいだからな。


「それなら安心ですの。お兄様が知らない人と婚約するのは嫌ですわ」


嫉妬をされるくらいには好かれているってことか。それなら満足だ。推しにそこまで思ってもらえる俺って幸せ者だなー。それにしてもルナはやはり独占欲が強いんだな。これはまぁ公式に書いてなかったが、何となくそんな気はしてたから驚かないが。


「今は婚約者いなくても楽しくやれてるから婚約者はいなくてもいいな」


ルナといれば満足だし。それ以上を望むのは欲張りすぎだ。一人を大切に思えればそれでいい。別にモテたいとかいう願望はないしな。そんなこと思っていると、城に着いた。


何回見ても日本の城のような美しさがある。構成の美というか。石垣も魔法石で固めて結界を張ってるので早々魔物は入れない。それだけ強力なものだ。


「すごいですわ。豪華というか何層にも成っているのが美しいですわ」


そんなことを言いながらしばらく眺めていた。いつか俺も城を建てないなと思っているが、その技術を持っている奴がいるかどうか。ニホンならいるかね?今度探してみるか。






























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