第35話

次はどこに行くかね。本屋とかもいいかもしれない。その後は服屋とかか。折角だし俺の服も繕ってもらうか。俺は単体ならセンスあると言われるのだが、全体のコーディネートだとダサいって言われるんだよな。ちなみにに言ってきたのエミリーだ。あいつは流行に敏感でおしゃれだからな。


「次はどこに行きますの?」


「本屋とかどうだ?好きな本とか家にないだろう」 


「いいんですの!」


目がキラキラしてる本当に本が好きなんだな。できるだけ多く買ってやるか。本棚は使ってないのがひとつあったはずだからそこを使ってもらうか。


「いいぞ。10冊ぐらいなら買うぞ」


「善は急げですの」


そう言って俺の手をひっぱた。あ、柔らかい。女子の手ってこんなに違うものなのか。美少女に手を引かれるとか役満だな。それにものすごく雰囲気がキラキラしている。これがリア充か。そんなことを考えていたら途中で場所が分からなくなったのか、立ち止まったので、俺が手を引きながら案内した。


本屋に着く、レトロ中世の西洋風の建物でなかなか趣がある。まぁ作ってから数百年は経っているからな。クニエスタ最大の本屋でもある。


「わぁー色々な本がありそうですの」


「専門書から魔法書、小説なんでもあるぞ」


「それなら私好みの本も見つかりそうですの。楽しみですわ」


「まずは何を見るんだ?」


「小説ですの」


ここはコーナが多すぎて、普通に回っていると、迷子になる。だからあらかじめ行く場所を決めておいた方がいい。あれもあれもと目移りするとあっという間に時間が過ぎる。


「そうかそれじゃーあっちだな」

 

俺達は右側の端の方に向かった。すると様々な小説が売られている。ラノベまであるのかよ。前来たときはなかったぞ。それだけ人気が出てきたのか。俺の青春ラブコメは間違っているがあるな。これをおすすめするかきっと気にいるはずだ。


「これとかどうだ?俺の世界にあったときの小説なんだが」


「お兄様の世界の小説ですの!興味が湧いてきますわ。買います。あとこの主人公の幼馴染みを好きになってしまった話も買いましょう。脇役が主人公って興味深いですの」


「それじゃ小説はその二つか。それじゃ専門書コーナに行くか」


専門書コーナに行くと、様々な魔法書だったり、心理学の本などがあった。後はニホンがたしているニホン文化とかだ。心理学はニホンの影響だろう。色々な人が転生してるみたいだ。


「魔法書を何冊か買いますの。どれも古式魔法ですわね」


まぁ魔法書を売ってもここじゃ売れないしな。使える人間が少ないし、魔法をライバル視しているところがあるからな。それにしても百年前の魔法書が売っているのは驚いた。古文書も扱っているのか。まぁ本物じゃなくて、写したものだろうけど。


基本的な魔法書をルナは籠に入れた。図書館にも古式魔法の魔法書はたくさんあるが、どれも難易度はそこそこ高いからな。とりあえず基礎から覚えていくべきだな。すぐに覚えそうだが。


「まぁなここじゃ魔法書は需要ないしな。俺は心理学の本を買うか」


「それって人の心理が分かるですわよね。魔力で大体のことは分かるんではないんですの?」


「分かるんだが、大まかな部分しか分からないからな。これなら細かい部分も分かるんだよ。社会心理学は人の動作で心をも読む学問なんだ」


嘘をついてるかとか、つまんないとかがこれで分かる。そうすればどいう言葉を発せればいいか分かる。それに人を自分の思いどおりに動かすことも出きるからな。ルナに何かあったときに動かせる人数はいた方がいい。学院を巻き込めば勝率は上がる。


「へぇー興味深いですの。私も買いますわ。決してお兄様の本当の気持ちを知りたいわけじゃありませんわ」


俺の気持ちは好意しか感じないだろうが。だってルナのこと推しとして愛しているし。今の大切な人はルナだしな。誰が襲ってこようとルナには指一本触れさせない。


「そうか、まぁ他人とやり取りするのにも心情は分かった方が便利だからな。考えさえ分かればコミュニケーションは楽になるからな」


「そうですの!人間関係を円滑進めるためですわ」


「それじゃ心理学の本を何冊か買って、魔法書か。まぁ大した値段にはならないだろう」


魔法書って言っても古い奴はそこまでかからないからな。古いものでも高いものはあるが、大体の古い魔法書は読める人が少なかったり、今じゃ基礎ぐらいのレベルのものが多いからだ。なかには秘伝みたいのもあるがごく一部だ。


「買ってくれるんですの?」


「転入祝いだよ。まぁ転入は普通にあの成績なら出きるだろうが、妹が学院に入ったのになにも渡さないのは兄としてどうなんだって話だ。だから受け取ってくれ」


「分かりましたの。ありがとうございますわ」


そして俺達は本屋を出たが、オタクからの視線がものすごかった。ラノベを買うのとき話しかけようとしてたが、俺が魔力で圧を加えると遠目からこちらを恨めしいそうに見てた。これが陰陽師だと通じないが、その辺の学生には普通に効くからな。そんなことを考えていると、笑顔で俺の手を握り服屋に行きますのと言って、歩きだした。










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