第31話
そして昼休みが終わり、俺達は教室に戻った。嫉妬や軽蔑の眼差しを向けられるが気にしても仕方ないので俺達は席に座る。ルナがそのうち実力で黙らせるだろう。今のところはまだ古式魔法師としては半人前だが。だが才能はある。魔法を合わせたら俺も越える可能性も十分ある。
「お兄様次は実践でしたよね?」
「ああ、そうだな午前中に作った呪符を午後の授業で使うんだ。まぁそんなに難しいことやらないから大丈夫だと思うぞ」
初級程度しからやらないからな。貴族は猛虎のレベルはやっているんだろうが、庶民はやってない人も多いからな。先祖が陰陽師でも大分前みたいなこともあるし、この学校は入試は実力よりも才能でみている。
「そうなんですの。名門だから専門的なことからやるかと思ってましたの」
「もっと実践的なことやる学院は私立のクニエスタ学院くらいだな。あそこもアラスタ王立学院に並ぶほどの名門校だ。あそこは学費が高いから貴族しか通ってないから実践的なことをやれるんだよ。うちは才能で合否が決まるからな。だから庶民も多いんだ」
そして昼休みが終わり、俺達は訓練場に向かった。ここは大規模な結界を張ってあって、早々壊れはしないのだが、大規模な魔法を使うと少し亀裂が入る。個人的に使っている訓練所よりも結界は強い。
「みんな来たみたいだな。それじゃ早速呪符を用意してくれ」
そう言ってクラスメイトは午前中に作った水の呪符を構えた。これは足付近を水に変えて、空いての行動を遅らせる古式魔法だ。
「それじゃ手本を見せるぞ。水流よ。敵の地面を崩したまえ。沸き上がれ水流よ急急如律令」
そう言って印を結び呪符を適当な場所に投げて魔力を込めた。すると地面が水に変わった。まるで液状化現象のように。相手の行動を制限させるのは基礎中の基礎だ。
一人一人前にで実践していく。そしてルナの番になると、みんな注目をする。そりゃ魔法を使える奴で古式魔法を使える奴は少ないからな。使えるなか様子見してるんだろう。どの程度の実力なのか。できなかったらバカにするつもりだろう。それだけルナが嫉妬されてるってのもあるが、魔法師と古式魔法師の亀裂が激しいというのもある。
「水流よ。敵の地面を崩したまえ。沸き上がれ水流よ急急如律令!」
呪符に魔力を込めて印をして呪符を投げると広範囲に液状化現象を起こしていた。しかも結構深く。周り驚いている。そりゃ魔法師がこれだけ古式魔法に適応すればな。しかもそれが魔法師として結構有名なルナなら余計にな。
「ふぅーうまくいきましたの」
ルナはバカにされないようにあえて才能の違いを見せるために広範囲にやったな。それでも魔力もあまり減ってないところからみて効率性も上がっている。末恐ろしいな。
先生もこれがトラストの貴族の実力かと小声で言っている。古式魔法だけしか使えない奴は面目丸潰れだ。だってルナはこれプラス魔法を使えるんだからな。実践では勝てないだろう。十二神将になるには古式魔法だけでならなくちゃならないがな。まぁ時間の問題だろう。
「それじゃ水の魔法の講義についてはこれで終わりとする。ちゃんと復習をするようにな」
そう言って5限目の授業は終わった。次は火の魔法だな。手のひらにのせてそれを投げるものだ。最終的には何個も投げれるようにするんだよな。まぁもうできるけどな。
それから6限目の授業も終わった。結果から言うとルナが10個くらい投げれるようになってまた驚かれていた。あのイケメンのショックを受けていた顔は傑作だった。恐らくできなかったら教えて近付こうとでもしてたのだろう。まぁできなくとも俺が教えるから近寄らせないが。
「ふぅー思ったより今のところは簡単ですの。魔法とコツは大体一緒でしたの」
「まぁ同じ魔法同士だしな。周りはかなり驚いたいたが。それに古式魔法も大規模なものになると難易度は上がるぞ。まぁルナならどうにかなると思うがな」
早く十二神将に上がってほしい。そうすれば嫌がらせの芽も摘める。まぁ俺の妹ってことで古式魔法を貪欲に覚えていくだろうが。恥をかかせたくないだろうからな。どんどん成長して、いつか俺を越えるだろうな。その時に俺のとなりにいてくれるだろうか?実力があればアラスタの王族もほっておかないはずだ。恐らくアラスタの王族は無罪だと気づいている。だから婚約する可能性もある。そしたらルナはもとの貴族に戻る道を選ぶだろう。
「お兄様なに悲しそうな顔をしているのですの?」
「いや王族がルナをほっておかないと思ってな」
「安心してください。私はお兄様のそばを離れたりしませんわ。今さら貴族に未練はないですの。だからお兄様笑顔でいてください。その笑顔が好きなんですの」
そう言ってこ首をかしげながら優しくルナは微笑んだ。全くあざといな。だがそれがいい。離れないか。その言葉俺は信じよう。いつまでも一緒にいれるように俺もいっそう努力をしていくか。一流の独立魔法師になれるように頑張ってみるか。
「そうだな、もっとレベルアップをして、ルナのとなりに相応しい男になるか」
俺は絶対にルナを誰にも渡さないことを無意識に思っていた。このときエマに対する未練は減っていた。エマが苦労してることも知らずにね。そしてゲームよりも早く戦争が起きることも、それに最初に狙われるのがアラスタだとも知らずに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます