第29話
それから学校でのルールを聞いた。俺は聞いたことあるからルナの方を見る。集中して聞いているようだ。それだけこの学校に期待してるんだろう。古式魔法の名門校だからな。結構な古式魔法を覚えることができる。図書館には古式魔法の魔法書がズラリと並んでいる。
「ようするに十二神将になれば特権がいっぱいもらえるってことですの?」
「そうですよ。独り暮らしもできます」
「それはお兄様と住みたいので遠慮しておきます」
嬉しいこと言ってくれじゃないか。俺もルナと離れるのは嫌だ。せっかく推しと家族になったのに一緒に暮らせないとか、生殺しにもほどがある。それに少しの変化にも気付けない可能性もあるからな。同じ部屋で暮らした方が色々といい。
「そうですか、古式魔法はどのくらい使えますか?魔法は一流なのは分かっているんですが」
「簡単なのは使えるレベルですの」
「それじゃ授業はためになりそうなので、でてくださいね?ミキさんはでていないですが、学ぶことがないので。まぁそれでも自主連はするみたいなので文句はありませんが」
よかったはこれで教師に嫌われたら、留年することになるからな。それだけは面倒だ。二年までに使えるようにする古式魔法は全て覚えている。だから最終学年に上がるまでは親父にもらった魔法書の書いてある内容を習得する予定だ。もちろん図書館に置いてある魔法書のものも習得する予定だが。
「それではもうミキさんは行ってください。これ以上いると遅刻になりますからね。ルナさんは私と一緒に教室に向かいましょう。転校生ですからね」
「分かりました。ルナ質問責めをされるかもしれないから注意をしておけよ」
「分かりましたの。それではまた教室で」
「失礼しました」
そう言って俺は職員室をでた。間違いなく今まで休んでいたのはなにやってたのか聞かれるよな。特にエミリーに。どう誤魔化すかね。休んで、登校する時にルナと一緒にいたらなに関係があるんじゃないかと思われるよな。やっぱり真実を話すか。いじめを防ぐためにも。
そして教室に入ると、視線が俺に刺さる。やっぱりあんな美少女を連れてとか罪人の娘となんで一緒にいるのかとか聞きたいが、もう朝礼が始まるから聞けないんだろう。聞かれたらちゃんと答えるが。少し経つと先生が入ってくる。そして、パンパンと手を叩く。
「君達に新しい仲間が加わりますよ。ほら入ってきてルナさん」
すると教室に入ってくる。その動きはどの貴族よりも上品で美しく見えた。クラスメイトが息を飲むのが分かる。出だしは好調だな。貴族のなかには悪役令嬢だと知ってる奴もいるから警戒もしてるだろう。罪人の娘っていうのもあるが。
「始めましてですの。ルナ.エリーゼと言いますわ。よろしくお願いしますの」
「それじゃールナさんはミキさんの隣に座ってください」
「分かりましたですの」
まぁ隣はちょうど魔法の事故で退学したらしいからな。噂で聞いた。だから空いてるっていうのもあるしできるだけ近くに置いといて嫌がらせを防ぐ目的もあるだろう。これでも次席だからな嫌がらせをしたら倍で帰ってくるからしないだろう。
ルナは座って、よろしくお願いしますと俺に言った。改めてよろしくという意味だろう。
「よろしくなルナ」
「それじゃ朝礼はこれで終わりです。あんまり傷つくことは言ってはいけませんよ」
そう言って担任は出ていった。その瞬間たくさんのクラスメイトがルナに押し寄せた。ほぼ男だが。お前らにはルナは渡さんからな。例え王族でもな。
「ねぇエリーゼさん好きなタイプはどんな人。ちなみに俺はエリーゼさんみたいなタイプかな」
クラスメイトとのイケメンがそう言うと一斉に女子はルナを睨む。
「優しくて、思いやりがあって、相手のことをよく考えてくれて、命は投げた時ても助けてくれる人でイケメンですの。少なくともあなたみたい人ではありませんわ」
ふっルックスと成績がちょっといいだけのリア充はおよびではないってことだ。ルナは人を見た目だけで判断しない。少なくともリア充イケメンの見た目だけで気になったりするような奴は眼中にも入らない。ソレイユ様で痛い目に遭ってるからな。
リア充イケメンは苦虫を噛み潰したよう顔をした。まぁ今までは話しかければ相手から寄ってきただろうからな。イケメンだし。他の男はイケメンでも無理なのかと思った瞬間引いていった。そして授業が始まる鐘が鳴った。すると先生が入ってきた。
「お兄様教科書見せてくださいですわ」
「はいよこれだ」
そう言って俺は教科書ごと渡した。
「渡しちゃっていいんですの?」
「覚えてるから使わないしな」
「さすがお兄様ですの。それじゃ使わせていただきますわ」
俺はというとボーと授業を聞いていた。すると先生は俺がいたことが珍しいのか、俺に視線を向けていた。あ、こりゃ当てられるな。まぁ知ってるから問題ないんだか。
「ミキ五大元素を答えてみろ」
「火、水、木、金、土です」
「合ってるなさすが次席だ。これが基本の古式魔法の元素だ」
意外と古式魔法師はこれを知らない人も多い。まぁ知らなくても古式魔法は使えるからな。それから授業を進んでいった。
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