乙女ゲーに転生した俺が推しの悪役令嬢と過ごすスローライフ

第25話

空から言いあいは一段落したところで、俺はルナに帰る提案をした。ルナも慣れない古式魔法をつかって疲れているだろしな。これ以上エミリーと一緒にいるとまた口論が始まりそうというのもあるけどね。

｢そうですわね。慣れない古式魔法を使ったので魔力が少し安定してないですの。これは早く私たちの寮に帰って休まなくちゃいけませんの｣

なんで私たちを強調したんだよ。兄妹なんだから一緒の家でもおかしくないだろう。だからエミリーも藁人形を串刺しにしてるような顔になってルナを睨むな。今にでも呪っちゃいそうだよ。

睨まれているのにどこのふう風だ。ルナのメンタル強いな。まぁ襲われかけたこともあるくらいだからこのくらいなんともないのないのだろう。実害はないし。呪いなら俺が跳ね返すし。

｢そうだな帰るか｣

俺達はヒソヒソしている生徒達を尻目に寮に向かった。マジで聞こえてるからな。罪人の子供がとか、罪人の子供がエミリーに楯突くなんてとかな。噂に惑わせされるなんて一流の古式魔法師になれないぞ。たぶん半分は嫉妬からくるものだろうな。魔力の量がその辺の古式魔法師の４倍はあるからな。俺と同じくらいある。

やがて寮に着くと、ルナは上品にソファーに腰かけた。

｢これふかふかで気持ちいいですの｣

まぁソファーに座ったことがない奴だったらその座り心地に感動するだろうな。ベットと同じくらい気持ちいいし。ニホン産は特にだ。そのまま寝れることもできるレベル。

｢ご満足いただけたようで何よりだ。それで今日のよれは食べに行こうと思うんだが、なにかリクエストあるか？｣

｢スシというものを食べたいですの。生魚には興味がありますわ｣

スシもあるのか。ニホンはほんとニホンを再現してくれるよな。本場に早く行きたいな。夏休みに行くか。コネを使ってあそこの貴族にまアポを取ろう。貴族ならニホンの内情も知っているだろうから、ニホンを作り上げた人物にも会えるかもしれない。同郷に会えるなら感動ものだろう。

｢それじゃーそうするか。寿司は手で食べるんだが大丈夫か？無理なら箸でもいいんだが｣

礼儀作法的に手の方がいいんだが。手で食べるのは下品だと思う奴もいるからな。海外でも添え思われていたんだから充分可能性としてはあり得るだろう。

｢手で食べるのが礼儀なんですわよね。それなら手で食べますわ。郷に入れば郷に従えとも言いますし｣

海外の礼儀を尊重するのはさすが元貴族だな。これが成金だと、自分達が間違っていないと言って、礼儀には従わないからな。

｢それじゃ寿司屋に行くか。エミリーゼも行くか？｣

｢行くよー。スシは始めて食べるよ｣

まぁご先祖様は平安時代の人だしな。知らなくても無理ない。きっとその美味しさに感動するはずだ。俺もここのは食べたことないが、ニホンに本社がある支店だから味は保証できるだろう。これがここの本店だと味が変わる可能性があるが。俺達はそれぞれ用意して、寮をでた。

｢お兄様あの城と呼ばれるものは豪華ですわね。宮殿とは違って、離れたところから見ても美しいですの｣

あの城は江戸時代の城と似ている。まさか江戸時代からも誰かが転生していたのか？それも同じ国でなにか転生する基準でもあるんだろうか？神様はアラスタを一番にしようとしてるのか？それなら納得できるが。

｢それがこの国が観光国として有名な由縁だからな。食事もニホン産のものは美味しいと評判だし｣

｢あんな簡単に作れるおにぎりさえ美味しいんですの。それのプリクラもすごかったですの。この国で一番発展してるとこらじゃないですの？｣

この国どころか、恐らくこの大陸で一番発展してるところだろう。それだけ日本を模倣したニホンの技術力は高いのだ。魔法も兵器には敵わない。いくら戦略魔法というものがあってもだ。戦略魔法とは魔法ひとつで軍団を壊滅させることができる魔法だ。

｢恐らく大陸で一番だろうな｣

｢そんなにお兄様がいた異世界は発展してるんですの？｣

｢魔法がないぶん科学が発展したんだよ｣

この世界は魔法があったから科学が発展しなかった。普通だったら火は地球じゃ科学じゃなきゃ起こせないが、この世界だと魔法式に魔力を込めるだけで起こせる。科学は必要ないわけだ。

｢お兄様のいた世界は魔法がないんですの？かなり不便なんじゃと科学を知らなかった今までの私は思っていたんですけど、科学を知ったので魔法は必要ないなと思いましたの｣

｢発展した科学は魔法と変わらないという言葉俺の世界にはあるんだ。まぁ発展しすぎると戦争に使われたりするがな｣

だから発展しすぎるのも考えものだ。今はAIが発展していて、人間に反抗するんじゃないかと言われている。まぁさすがにこの国にはAIはできないと思うが。まず作る原材料がないからな。パソコン自体は作れそうだが。

｢お兄様のいた国は戦争があったんですの？｣

｢あったぞ。色々な化学兵器とか落とされたな。それくらい科学とかは危険なものでもある。だから輸出をしてないんだろう｣

気づかれたら兵器に使われるし、侵略もしてくるからな。化学兵器を我が物にしようと。まぁニホンが負けることはないが。同盟でも組まれたら厄介だが。